会社設立って簡単になったのか?スーパー・ファストトラック化で気をつけないといけないことは?
東京都江戸川区葛西駅前 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 資格試験アドバイザー 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
はじめに
昨今会社設立を定款認証と同時に完全オンラインで申請する場合、24時間で処理する扱いになりました。(スーパー・ファストトラック化)
しかし、便利だからといって、設立時、設立後に気をつけないといけないことは多々あります。
今回、会社設立専門家の立場から、設立時、設立後に気をつけないといけないことを書きます。
目次
会社設立って簡単になったのか?ファストトラック化で気をつけないといけないことは?
ファストトラック化って何?
ファストトラック化とは、会社設立登記を申請後3日以内で法務局の処理を終わらせようとすることをいいます。
法務局の事件の混雑時や昨今の新型コロナウィルス感染予防の観点で法務局の職員の勤務体系も変わっていますので、3日で全てできるとは限りませんが、一応起業される方は覚えておくといいでしょう。
さらに、令和3年2月15日から、定款認証と会社設立登記を同時に申請できる「スーパー・ファストトラック化」もできるようになりました。
こちらは、定款認証でも電話会議システムを用いた方法で行い、それと同時に設立登記も申請してしまおうとする制度です。
マイナンバーカードを利用することになり、そもそもマイナンバーカードがないと「スーパー・ファストトラック化」を利用することはできません。
スーパー・ファストトラック化の場合は、24時間以内に登記手続きを終了させることになるので、より迅速に会社設立をすることができます。
設立前に気をつけないといけないことは?
個人的に会社設立時に気をつけないといけないことは、定款の作成。
最近は雛形定款があり、それを商号や目的だけ置き換えてしまえばできてしまいます。
しかし、定款は会社の根本規則となるもの。
いくらスーパー・ファストトラック化となったところで、定款をしっかり作り込むことがより重要になっています。
なので、定款を企業のイメージ戦略ツールにも使えますので、会社設立をいつにするか決めたら、定款の条項をどうするかは慎重に決めないといけません。
雛形定款のまま会社運営をすると、そのうちほころびが出てきて、定款変更を余儀なくされることもあります。
あとは、資本金の払込。
基本は定款認証後に払込をして、発起人の同意で本店の具体的所在地の決定とかをします。
しかし、定款認証と同時に会社設立登記を出す場合、少なくても同日に資本金の払込手続きをしないといけません。
場合によっては、定款を先に作成しておいて、定款認証(設立日)前に出資金の払込をすることも考えられます。
昨今はインターネットバンキングを使って資本金の払込もできるので、それを活用する手もありです。
いずれにしても設立前に気をつけることは定款作成と資本金の払込になります。
設立後に気をつけないといけないことは?
おそらくスーパー・ファストトラック化で会社設立をする方の多くは印鑑届書を法務局に提出しないことが想定されます。
なので、次に商業登記を申請する場合は、完全オンラインで申請する必要があります。
登記申請に必要な書類はすべて電子署名する必要があるので注意です。
それを避け、書面申請でも対応したい場合は、印鑑届書をあらかじめ法務局に申請しておく必要があります。
個人的には会社実印はまだ実務で使うこともあるので、印鑑届書を法務局に提出しておくことがいい気がします。
まとめ
スーパー・ファストトラック化で会社設立は簡単になりました。
手続きが簡単になっても、その前段階の定款の作成がより重要になってきます。
設立後にも様々な問題が出てきますので、それを踏まえて会社設立をするようにしてください。
今回は
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