小さな会社の企業法務 定時株主総会を開催する理由と議事録の作成方法は?
東京都江戸川区葛西駅前 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
久しぶりの小さな会社の企業法務ブログ。
5月は3月決算の会社の定時株主総会の開催時期になります。
おそらく多くの会社で定時株主総会を開催しているかと思われます。
しかし、ひとり株式会社や法人成りの株式会社は意外と定時株主総会のことを知りません。
今回は角度を変えて、定時株主総会を開催する理由と定時株主総会の議事録のことを書きます。
小さな会社の企業法務 定時株主総会を開催する理由と議事録の作成方法は?
定時株主総会の開催方法は?
定時株主総会の開催に際しては、招集手続きを経て総会を開催する必要があります。
取締役が複数いるときは、取締役の一致で、総会開催日と決議内容を決める必要があります。
あとはその時までに3月末までの決算書類ができて、取締役の一致で承認しておく必要があります。
その後、各株主に際して招集通知を発する必要があります。
ただ、株主が身内だけとかひとりだけの場合は、株主全員の同意があれば、招集手続きを省略することができます。
ただし、株主が身内以外とか第三者がいる場合は、株主総会決議取消の訴えの対象にならないよう、招集手続きを経て株主総会を開催すべきです。
タイトルにある「定時株主総会を開催する理由」は、税務署に提出する計算書類を株主総会で承認する必要があるためです。
会社法や定款では、事業年度終了後3ヶ月以内に行われる旨記載されていますが、中小零細企業の場合は、事業年度終了後2ヶ月以内に確定申告をする必要があるため、3月決算の場合は、5月に定時株主総会を開催する必要がでてくるのです。
定時株主総会の決議の内容は?
ひとり株式会社や法人成りがメインの株式会社の場合、定時株主総会で決議することは、決算書類の承認くらいがほとんど。
場合によっては役員報酬の決議が加わります。
役員報酬は年に1度しか変えることができないため、定時株主総会で決議することが多いです。
また、定時株主総会で大事なのは、役員改選時期になっていないかの確認。
まずは定款と履歴事項全部証明書を取得して、役員改選時期になっていないかを再度確認してください。
定時株主総会で役員改選を見落としている経営者の方が多いです。
特に法務に疎い場合は、常に定款と履歴事項全部証明書を見ておく癖をつけてください。
定時株主総会を開催したら議事録を作成
定時株主総会を開催したら、議事録を作成し、会社に保管しなければなりません。
これはいわゆるみなし総会で開催した場合も同様です。
議事録ですが、捺印に関しては特に会社法や会社法施行規則には規定がありません。
なので、定款に条項として株主総会議事録の規定を設けているところが多いです。
それに従って、議事録を作成し、捺印をしておくべきでしょう。
実務では、議事録作成者を代表取締役にして、会社実印を押印して保管しているケースがほとんどです。
これからの時代は、データで保存する会社も増えてくるでしょうが、それでもデータに電子署名をしておくことを忘れないでください。
まとめ
このブログでは何度も書いていることですが、結構重要なことなので、再度ブログに書きました。
ひとり会社零細企業のための企業法務とかで本を書きたいなぁ…
今回は
『小さな会社の企業法務 定時株主総会を開催する理由と議事録の作成方法は?』
に関する内容でした。
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参考書籍
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