株主が身内でも招集手続を経ないで株主総会を開催できませんか?[小さな会社の企業法務]
ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
株主総会。
どんな規模の会社でも、株主総会は必須機関。
計算書類等の承認事項があるため、毎年必ず開く必要があります。
株主が身内の場合だけであっても招集手続を経なければならないのでしょうか。
株主が身内でも招集手続を経ないで株主総会を開催できませんか?
身内だけであっても株主は株主
中小零細企業の場合、株主が少人数でしかも知っている人が株主であることが多いです。
株主である以上、株主総会で議決権を行使できますし、配当があればそれを受け取る権利があります。
なので、身内だけが株主であっても招集手続を経なければなりません。
招集手続を経ないで株主総会を行う方法はあるのか
小さな会社で取締役会設置会社の場合、株主総会は書面で行う必要があります。
非取締役会設置会社であれば、招集手続は書面以外で行うこともできます。
もし、あなたの会社が取締役会設置会社で、実際取締役会が機能してない場合は、招集手続を簡略化する方法も採用できる、非取締役会設置会社に変えるのも方法としてはありです。
招集手続を経ないで株主総会を行った場合、株主総会決議取消の訴えの対象となり、小さな会社で揉める原因の一つとなります。
なので、どんな規模の会社であっても株主総会を開催するにあたり、招集手続をする必要があることを認識してください。
ただし、総株主の全員の同意があれば、招集手続を省略して株主総会を開催することも可能です。
身内だけが株主の場合は、同意を得た上であれば、株主総会を開催することができるので、身内からきちんと同意書をもらった上で行うことが肝要です。
みなし総会決議の活用を!
株主総会を実際に開かないで、書面で決議をする、いわゆるみなし総会による方法もあります。
ひとり株主の会社であれば、招集手続をひとりで演じて行うより、「みなし総会」による方法で開催するほうが現実的です。
「提案書兼同意書」という形で書面を作り、みなし総会に関する議事録を作成しておけば、株主総会を実際には開催していなくても、開催したことと同じになります。
みなし株主総会であっても、議事録は会社法施行規則に基づき作成しなければなりませんので、注意してください。
みなし総会は株主が身内だけの場合でも活用できますので、検討してください。
まとめ
株主総会を開催するには、株主が誰であろうと必ず招集手続が必要であることはご認識ください。
中小零細企業の場合、みなし株主総会の開催も検討に入れるといいでしょう。
今回は
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