東京都江戸川区葛西駅前 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
ひとり株式会社であっても、株主総会は必ず開催する必要があり、議事録を作成し保管する義務があります。
ところで、会社法第319条のみなし総会でも株主総会議事録を作成する必要がありますが、印鑑はどうすればいいでしょうか。
あわせて、株主の同意書に押印する印鑑もどうすればいいのでしょうか。
みなし株主総会の議事録や株主の同意書にに押印する印鑑は?
みなし総会議事録 原則は会社実印で押印
通常の株主総会議事録は議長、出席取締役が記名押印する場合は、議事録作成者が記名押印するかいずれかです。
みなし総会の場合、株主総会そのものは開催しておらず、ただ議事録は作成しなければならないという扱いになります。
ひとり株式会社の場合は、結局は経営者であるあなた自身が議事録を作成し、記名押印することになります。
その印鑑については、会社法では特段決まっていませんが、会社実印で押印することが多いです。
株主の同意書に押印する印鑑は?
会社法319条の規定にもとづくみなし総会の場合、株主全員の同意書が揃ったときに総会の決議があったものとみなす制度です。
そこで、株主から同意書を提出してもらう必要があります。
それに押印する印鑑についても特段決まりがあるわけではありません。
なので、実務では、株主の同意書に押印する印鑑は認印でもいいことになります。
ひとり株式会社であれば同意書については問題ありませんが、株主が複数いるときはちょっと気をつけたほうがいいかも知れません。
本当にこの議決に賛成したのかを裏付けるために署名押印させたほうがいいと私は思います。
さらに心配であれば実印押印で印鑑証明書を添付させたりすることも考えられます。
重要な案件になればなるほど株主の同意書は扱いに注意しなければなりません。
ちなみに、株主の同意書は登記では添付書面とならず、みなし総会の議事録が添付書面となります。
また、同意書は会社で議事録とともに保管しておく義務があります。
まとめ
ひとり株式会社であっても株主総会は開催する必要があり、みなし総会で行った場合は議事録と株主の同意書を保管する必要があります。
押印する印鑑については特段決まりがありませんが、証拠資料ともなるので、押印についてはその都度対応するといいでしょう。
ひとり株式会社の場合は、押印についてはそこまで神経質になる必要はありませんが・・・
今回は
『小さな会社の企業法務 みなし株主総会の議事録や株主の同意書にに押印する印鑑は?』
に関する内容でした。
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参考書籍
会社法の議事録作成実務 | ||||
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