東京都江戸川区葛西駅前 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
このブログは2016年4月29日に投稿し、2019年2月12日にリライトしました。
目次
はじめに
あなたの会社、株主総会を開催したあと、議事録を作成して保管していますか?
実は、株主総会議事録を作成し、保管義務があることを意外と知らない経営者の方が多いです。
今回は経営者の方に知ってほしい「株主総会議事録の作成と保管」について書きます。
株主総会を開催したら議事録を作成し保管する!
株主総会を開いたら、議事録を作成する義務が!
株主総会は
・毎年必ず開催する定時株主総会
・必要に応じて開催する臨時株主総会
があります。
株主総会の決議については
・取締役会を置いている会社は、株主総会では会社法など法律に規定する事項に限り決議可能
・取締役会を置かない会社は、株主総会ですべてのことを決議することが可能
会社設立後の株式会社の場合は、ほとんどが取締役会非設置会社なので、株主総会でなんでも決議することが可能です。
いずれにしても、株主総会を開催して、様々な決議をしますが、総会終了後に必ず株主総会議事録を作成しなければなりません。
株主総会議事録に記載する内容は?
株主総会議事録を作成するといっても、適当に議事録を作るわけにはいきません。
株主総会議事録の記載事項については、法律で決められており、その根拠規定が会社法施行規則第72条です。
具体的記載事項については、以下のとおりです。
- 株主総会が開催された日時・場所
- 株主総会の議事の経過の要領及びその結果
- 監査役または会計監査人が会社法の規定によって特に認められた意見または発言を行った場合はその概要
- 株主総会に出席した取締役・執行役・会計参与・監査役または会計監査人の氏名または住所
- 議事録の作成にかかる職務を行った取締役の氏名
株主総会に印鑑を押印する必要があるのか?
株式総会議事録は、会社法上署名または記名押印の義務の規定はありません。
しかし、株式会社の規模を問わず定款の規定に、議事録作成と押印について記載されていることがほとんどです。
実務では
・議事録作成者(代表取締役が多い)が記名し、会社実印で押印する
・議長及び出席取締役が記名押印する。議長は代表取締役社長が多いので、会社実印で、その他の出席取締役は認印で押印する
で行われていることが多いです。
ただし、以下の場合には、出席取締役が個人実印を押印することもありますので注意してください
・取締役会非設置会社の代表取締役の選定決議がある場合
・取締役会非設置会社の不動産売買に関する利益相反取引がある場合(不動産登記で利益相反に関する登記を申請する場合)
株主総会議事録作成後、議事録を備え置く必要がある
株主総会議事録は、先程も書きましたが、法務省令にしたがって作成しなければなりません。
これは会社法第319条のみなし総会(いわゆる書面決議)でも同じですので注意してください。
それとともに、作成した株式総会議事録を会社の備え置く必要があります。
そこまでやらないといけません。
ちなみに株式総会議事録を備え置く期間ですが、本店では10年間、支店には議事録の写しを5年間保管義務があります。
まとめ
今回の投稿のまとめ
・株主総会は定時株主総会でも臨時株主総会でも議事録を作成する必要がある
・株主総会議事録は法務省令(会社法施行規則)にしたがって作成する
・株主総会議事録の押印については定款の規定に従って行う
・株主総会議事録を作成したら一定期間会社に保管する
以上を確認して下さい。
今回は
『株主総会を開催したら株主総会議事録を作成し保管義務があることを知っていますか?』
に関する内容でした。
参考書籍
中小企業のための戦略的定款
経営360度/野入美和子 民事法研究会 2008年06月
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会社議事録の作り方第2版
松井秀樹 中央経済社 2016年04月28日
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