登記申請時に添付すべき定款 全文を添付しなければいけないのか?もし直していない定款を添付する場合は?
ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 鉄道大好き司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
昨日のブログで、定款を見直したほうがいいという趣旨のブログを書きました。
そうしましたら、以下の質問が来ました。
登記するさい、定款を添付するはずなので、登記記録上の内容と、実際の定款の内容に不一致がある場合があるのは、かなり疑問です。
確かに古くて条項を変えていない定款を登記申請の際に添付することには違和感があるかもしれません。
そのあたり、実務ではどう動いているのかを含めて紹介します。
登記申請時に添付すべき定款 全文を添付しなければいけないのか?もし直していない定款を添付する場合は?
定款見直したあとは、直した条項を含めて修正しておくべき
例えば目的を変えたとか、役員の任期を変えた場合、条項の該当部分を修正しておく必要があります。
もし、データで定款をもっている場合は、該当する部分を直し、それに基づき条項が繰り下がることが起きれば、条項数の修正もしておかないといけません。
なので、目的なり定款変更をした場合は、速やかに定款変更部分の条項を修正してください。
ある方は公証人の認証を受けた定款を直したらまずいと思っている方もいます。
しかし、あくまでも公証人の認証は、会社設立時のための要件であり、設立後は会社代表者が定款の原本証明をすればいいのです。
もし、どうしても定款変更するのが面倒であれば、あまりおすすめしませんが、認証を受けた定款に、定款変更決議をした株主総会議事録のコピーを合綴して保管しておくのもありです。
登記申請時に定款を添付しなければならない場合は、定款全文を添付しなければならないのか?
ここは実務でも毎回議論のあるところです。
例えば、取締役会設置会社で、取締役会の書面決議をしたときは定款を添付しなければなりません。
その際に定款は、取締役会の書面決議に関する定款条項の部分だけ添付すればいいのか、それとも全文を添付しなければならないのか問題となります。
一見、該当する部分の定款を添付すればいいと思いがちですが、実務では定款全文を添付する必要があります。
なので、本来であれば、最新の内容の定款を添付しなければならないところですが、なぜか、現在会社にある定款を添付して登記しても一応は受理されています。
なので、旧商法時代の定款を代表者が原本証明しても、該当する部分の条項がわかればいいので、登記そのものは通ってしまいます。
本当にそれでいいのかは問題ですが、できれば、登記申請時には、最新の情報を盛り込んだ定款にしておくべきです。
特に特例有限会社の場合、旧商法時代と条項が大幅に変わっているため、最新のものに合わせたものを作り直したほうがいいです。
まとめ
定款に関しては会社の根本規則を定めたもの。
古い条項のまま直していないのはまずいです。
なので、定款整備をしていない中小零細企業は早急に対応するようにしてください。
できれば司法書士に相談されることをおすすめします。
今回は
『登記申請時に添付すべき定款 全文を添付しなければいけないのか?もし直していない定款を添付する場合は?』
に関する内容でした。
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参考書籍
中小企業のための戦略的定款 | ||||
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