商業登記で定款を添付するときに気をつけることは?
ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 鉄道大好き司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
商業登記で定款を添付することがあるかと思います。
そのときに気をつけることはありますか?
上記のような質問が私のところに来ました。
今回は実務的なお話を書きます。
商業登記で定款を添付するときに気をつけることは?
商業登記で定款を添付する必要があるときとは?
私が経験した、商業登記で定款を添付する場合を上げておきます。(会社設立を除く)
- 非取締役会設置会社で、代表取締役を取締役の互選で選定する場合
- 逆に取締役2名の株式会社で代表取締役兼取締役が辞任し、残任取締役が代表取締役の代表権付与の登記を申請する場合
- 解散・清算人選任登記
その他、以下の登記でも定款の添付が必要です。
- みなし取締役会を行い、登記申請する場合
- 取締役会設置会社で、株主総会で代表取締役を選んでいる場合
あとは、定款ではありませんが組合法人で理事等を選任する場合に、どのように選ぶかを確認するために規約(定款みたいなもの)を添付することがあります。
さらには役員退任の時期を証するために定款を添付することもあります。
意外と商業登記で定款を添付することはあるのです。
定款の条項が変わっている場合に変更後の定款を添付すべきか?
登記の際に定款を全文添付することがあるかと思います。
その時、履歴事項全部証明書の内容と定款に齟齬がある場合、修正した定款を添付しないと登記申請は受理されないのか?
個人的意見ですが、あくまでも登記官の審査となるのは、定款に登記申請に該当する事項が記載されているかどうかを審査するのが問題であって、関係ない条項の部分までは審査はしません。
なので、古い定款のままでも登記申請は受理されると思われます。
ただし、ちょっと気になることがあるので、問題提起をしておきます。
定款添付の際には原本証明をする
定款を登記申請で添付する場合は、定款をコピーして、代表者の原本証明をします。
つまり、この定款が現行の定款に相違ないことを証明するものになります。
なので、先程も触れましたが、定款の内容と履歴事項全部証明書の内容が一致してない場合、本当に現行定款と相違ないといえるのか疑問は残ります。
ただし、先程も触れましたが、登記に関係ない部分は登記官の審査の対象とはならないと思われ、修正しない定款を添付しても登記申請は受理されると考えます。
もし、違和感があるかたは、条項部分を修正した定款を添付すべきです。
なお、条項を変更した部分に付き、再度公証人の認証は不要です。
まとめ
定款を添付するときは、一応全文を添付する、代表者の原本証明を忘れないこと、以上をおさえておいてください。
今回は
『商業登記で定款を添付するときに気をつけることは?』
に関する内容でした。
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商業登記ハンドブック第3版 | ||||
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