事例で学ぶ商業登記 役員変更登記編その2 就任承諾書の援用

事例で学ぶ商業登記 役員変更登記編その2 就任承諾書の援用

ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 鉄道大好き司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。

はじめに

先日、同業から監査役の就任承諾書の援用のことについて聞かれました。

就任承諾書の援用をしている企業は、私が関わっている会社でいくつかあります。

実際にどのような場合にできるのかをまとめました。

事例で学ぶ商業登記 役員変更登記編その2 就任承諾書の援用

就任承諾書に記載しなければならないもの

まずは議事録を援用するかを書く前に、就任承諾書のことについて触れておきます。

ここは改正があったところで、就任承諾書には、取締役・監査役等の氏名と住所を記載します。

非取締役会設置会社の場合は、取締役の就任承諾書に実印の押印が必要となります。

重任の場合について、住所の記載を要するかについては、私は書いてもらうことにしています。

ただし、商業登記規則で住所記載を要するのは就任のときだけとも読めるので、不要ではないかという考えも成り立ちます。

取締役会の取締役・監査役が就任する場合は、本人確認証明書が必要となります。

ただし、再任の場合や印鑑証明書を添付する場合は、本人確認証明書は不要です。

本人確認証明書の中身ですが、住民票や運転免許証の両面をコピーして本人が原本に相違ない旨記載して記名押印したものなどがあります。

議事録の援用ができる場合とは?

条件としては、新たに選ばれる(もしくは再任される)取締役や監査役が当該株主総会に出席していることが必要です。

要件として、株主総会の席上で被選任者が就任承諾したことがあります。

なので、被選任者が株主総会に出席しないで、議長から就任の内諾があった旨の報告だけでは、議事録援用はできません。

議事録を援用する場合には、登記申請書に「就任承諾書は株主総会議事録の記載を援用する」と記載すればいいことになります。

議事録に署名もしくは記名押印が必要ではないかという考えについては、不要であるとされています(商業登記ハンドブック第3版396ページ)

議事録を援用するときに注意しなければならないことは?

先程も書きましたが、実際に株主総会に出席して席上で就任承諾の意思表示をしていれば、議事録に「被選任者は直ちに就任承諾した」と記載し、申請書には援用する旨を書けばいいです。

しかし、本来就任承諾書には住所を記載しなければならなくなりました。

そこで、就任承諾書につき議事録援用で対応する場合、当該議事録に被選任者の住所の記載が必要となります。

住所の記載がない議事録を添付して、就任承諾書は議事録援用とした場合、補正の対象となります。

基本、私の場合は、議事録援用はほとんどしないで、就任承諾書をもらっています。

まとめ

司法書士試験でも、択一式や記述式で議事録援用できるときのことを問われています。

実際の実務をイメージしながら行うと頭に残りやすいので参考にしてみてください。

今回は
『事例で学ぶ商業登記 役員変更登記編その2 就任承諾書の援用』
に関する内容でした。

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参考書籍

商業登記ハンドブック第3版

松井信憲 商事法務 2015年05月20日頃
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この記事を書いた人

司法書士・行政書士 桐ケ谷 淳一

鉄道(乗り鉄・撮り鉄両方)と麻婆豆腐・担々麺をこよなく愛する司法書士・行政書士です。
ひとり会社設立、副業・複業、小さな会社の企業法務の分野を得意としています。
1977年1月 東京生まれ東京育ち
2000年 日本大学法学部法律学科卒業
2004年 司法書士試験合格
2005年 行政書士試験合格
2007年 東京都江戸川区葛西駅前にて司法書士事務所・行政書士事務所を開業
2017年 平成27・28年施行改正会社法・商業登記規則、役員変更登記の注意点(株式会社レガシィから)のCD・DVDを出しました。

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