会社の登記事項証明書の見方を教えて下さい!司法書士実務日記
東京都江戸川区葛西駅前 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
先日登記の依頼ありがとうございました。実は今回私は辞任したのですが、登記事項証明書のどこに記載されてますか?
辞任の場合は、「役員に関する事項」の該当部分に下線が引いてあり、隣に登記原因と日付が記載されています。
意外と登記事項証明書を読むのはややこしいところがあるので、今回は登記事項証明書の見方について触れていきます。
会社の登記事項証明書の見方を教えて下さい!
金融機関に提出の際の登記事項証明書は「履歴事項」か「現在事項」か?
代表者が変わった場合、金融機関や許認可を申請している場合は変更届をする必要があります。
その際に、添付書面として「登記事項証明書」が必要となります。
登記事項証明書は「履歴事項」と「現在事項」があり、どちらを取得したほうがいいのか分からなくなる方もいます。
「現在事項」というのは、現状登記簿に記載されている内容しか載ってきません。
なので、登記が完了しても、どこを変更したかは見ることができません。
変更した箇所を見たいときは「履歴事項」を取得する必要があります。
多くの金融機関や官公庁で必要になる謄本は「履歴事項全部証明書」となるので、取得する際は、誤って「現在事項」を取得しないようにしてください。
登記簿の見方 下線部が引かれてある場合
登記事項が残っているのですが…
という質問が来ました。
よくよく登記事項証明書を見ていただくと、下線部が引いてありました。
この場合は、登記は朱抹された扱いとなり、登記事項は生じていないことになります。
なので、役員の辞任登記をしたり、目的を変えたりした場合は、変更前のものはすべて下線で引かれ、新しい内容になっています。
履歴事項全部証明書を取得すると、変更前のものが載っかってくるので、もしかしたら登記されていないのではないかと錯覚してしまうこともあります。
なので、下線部が引かれてあった場合はその部分はすでに効力がないということでご理解いただきたいです。
履歴が残ることで、以前の商号や本店所在地、誰が役員だったのかを調べることができ、役所等で証明する資料にもなります。
なので、繰り返しになりますが、役所で「履歴事項」が必要なのは、前の内容がどうなっているか間違っていないかを調べる意味合いもあるのです。
まとめ
登記事項証明書の読み方は、一瞬すると勘違いするかもしれません。
ただ「履歴事項」で取得すれば、以前はどういう登記をしたのかも分かりますので、どこかに提出する必要があるときは「履歴事項全部証明書」で取得しましょう。
今回は
『会社の登記事項証明書の見方を教えて下さい!司法書士実務日記』
に関する内容でした。
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不動産の登記事項証明書の見方についてはこちらのブログも合わせて御覧ください。
参考書籍
商業登記簿謄本の一番やさしい読み方 | ||||
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