ひとり会社設立 あなたの会社はどのくらいの規模を目指していますか?
ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
会社の規模をどうしたいのか?
それが株式会社にするか合同会社にするか一つの判断基準になります。
今回は、会社の規模をどうしたいかに照準をあてて、株式会社・合同会社の設立判断を考えます。
ひとり会社設立 株式会社と合同会社どっちがあなたにとっていいのか?
費用が安いからといって合同会社を選んでもいいのか?
どうしても、起業家の方は設立費用を安く済ませたい思いが大きいのが現実。
となると、何も考えずに合同会社を選択してしまうこともあります。
合同会社は、定款自治の原則が広く、社員が複数いる場合の対処法を間違えると運営に影響が出てきます。
例えば、社員が複数いる場合に、何らかの事情で社員が退社する場合、資本金の額の減少を伴うことがあります。
合同会社は会社から退社社員に対する持分の払戻しができるということを覚えておきましょう。
株式会社の場合、株主が退社しても、会社からの払い戻しができないので資本の額の減少はありません。
なので、はじめから出資者が多いとかの場合は、合同会社よりも株式会社のほうがいいです。
将来規模を大きくしたい場合は株式会社設立それとも合同会社設立?
合同会社でも金融機関等から融資を受けることは当然可能です。
しかし、費用が安く簡単にできる合同会社に融資をしたくない金融機関もあるようです。
信用の問題がいまだ根強く残っているようです。
近い将来規模を大きくしたい夢をお持ちならば合同会社よりも株式会社にしたほうがいいです。
あと、共同経営で、利益配当を持分割合でしたいのである場合も株式会社がおすすめ。
出資者が複数いる場合、合同会社で設立すれば利益配当も定款で自由に定められますが、なにかあったときのリスクが大きいです。
よく合同会社から株式会社へ組織変更すぐにできると思っている方もいます。
しかし、合同会社設立後、株式会社へ組織変更するには債権者保護手続が必要で、株式会社にするのに最低でも2ヶ月近くはかかります。
さらに組織変更するにも費用がかかります。
また、一部の方々は、取引をするに際して、未だ株式会社のほうが信用あると思っている方もいます。
あなたが会社設立時に絶対に考えてほしいことは?
まずは、設立時にあなたの会社の企業理念をじっくり考える必要があります。
そして、会社の規模を大きくしたいのか、スモールビジネスでやっていくのかを考えることも、起業する上で大事なことです。
いくら費用が安くできるとか、すぐにできるからといって合同会社に飛び込むことはリスクがあります。
最近は合同会社の書籍も多く出ていますが、雛形定款だけであなたの会社の企業理念にあっているかの検討は絶対に必要です。
まとめ
企業理念に基づき、大きくしないといけない事業だとか信用がないと難しい事業の場合は、株式会社のほうがいいです。
合同会社はスモールビジネスで事業展開したい場合には適しています。
定款自治の点からも株式会社がいいか合同会社がいいか合わせて検討することをおすすめします。
今回は
『ひとり会社設立 あなたの会社はどのくらいの規模を目指していますか?[ひとり会社の設立]』
に関する内容でした。
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