履歴事項全部証明書のある部分を見るだけで会社の状況が分かってしまいます!
東京都江戸川区葛西駅前 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
履歴事項全部証明書。
法務局に行けば、誰でも取得できます。
これからあなたが取引したい会社の状況も履歴事項全部証明書である程度は把握できます。
では、履歴事項全部証明書のどこを見ればいいのかを自分の意見を交えて紹介します。
履歴事項全部証明書のある部分を見るだけで会社の状況が分かってしまいます!
なぜ履歴事項全部証明書を取得すれば会社の状況がわかってしまうのか?
「履歴事項」は登記事項となっている会社の状況を把握できるもの。
例えば商号を何度も変えているとか、資本金を変えているとか、会社の情報を知ることができます。
ただ、定款に書かれていることでも、登記簿には反映されないものもある(例えば属人的株式)ので、履歴事項全部証明書から会社の状況をすべて把握できません。
ただ、一定の手数料を支払えば、会社の状況を把握できるので、これからその会社と取引するときの判断材料につながります。
履歴事項全部証明書のどこをみれば会社の状況を把握できるのか?
履歴事項全部証明書のどこを見れば一目瞭然かというと「役員に関する事項」
「役員に関する事項」を起点にして「会社成立の年月日」を見て、役員の任期を予想したりできます。
例えば「役員に関する事項」を見ながら「商号」の変更経緯をみて、こういう理由でこうなったのかとも推測できます。
意外と「役員に関する事項」から会社の状況を把握できるのです。
では、「役員に関する事項」をみれば何がわかるのかを紹介します。
取締役会設置会社で、監査役がつい最近就任もしくは重任登記しているにも関わらず、会計監査に限定する旨の登記をしていないことがあります。
もしかしたら業務監査権限もあるでしょう。
しかし、資本金の額が1000万円程度で、監査役の氏が取締役の氏と同一の場合は、家族経営の場合が多く、定款で監査役の権限が会計監査のみとみなされていることがほとんどです。
となると、登記申請を会社申請(本人申請)で行って、会計監査に関する規定の旨の登記を失念していた可能性が高いです。
また、任期満了退任(登記事項証明書には単に「退任」となります)以外で「辞任」なり「解任」があると、この会社の経営状況は大丈夫かと第三者目線から思われてしまいます。
金融機関や大手企業と取引する予定のある中小零細企業は、法務面での対応を今後は強く求められそうな気がします。
そうなると履歴事項全部証明書の登記事項、特に「役員に関する事項」はもっと気を使うべきです。
まとめ
商業登記で、登記事項に変更が生じた場合、変更後2週間以内に法務局に変更登記を申請しなければなりません。
変更日と登記日が履歴事項全部証明書に記載されるので、こういうところも注意が必要です。
今回は
『履歴事項全部証明書のある部分を見るだけで会社の状況が分かってしまいます![小さな会社の企業法務]』
に関する内容でした。
あわせて読みたい
最近の小さな会社の企業法務に関するブログはこちらから