会社のたたみ方はどうすればいいのか 解散・清算結了
東京都江戸川区葛西駅前 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
会社は、人生と同じように、設立して、成長過程があったり、停滞したりして日々動いていきます。
人間と違うところは、会社は半永久的に続くということ。
しかし、会社を都合でたたまなければならない場合も出てきます。
例えば後継者がいないので、会社をたたまざるを得ないとか、事業を廃業するためにたたむ必要があるとかあります。
解散登記さえすれば、会社は畳んだことにはなるのでしょうかという質問をいただきました。
今回は解散と清算手続き、清算結了のことについて触れていきます。
会社を設立するときにこのことを知っておくことも重要です。
会社のたたみ方はどうすればいいのか 解散・清算結了
会社が消滅するまでの流れを理解する
「会社をたたむ」というと解散登記だけすればいいと思っている方がいるようです。
しかし、実際はそうではありません。
会社がなくなるまでの大まかな手続きを知っておくことも経営者にとって重要なことです。
解散から清算結了までの大まかな流れを紹介します。
解散の方法については、会社法で定めがありますが、今回は株主総会で解散決議を行うものとします。
株主総会で解散・清算人選任決議
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解散・清算人の登記申請
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解散公告
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清算事務
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清算業務終了
残余財産の分配
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株主総会で清算事務報告・結了承認
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清算結了の登記
会社の解散決議、清算人の選任
会社をたたむと決めた場合、株主総会で解散決議と清算人を選任する決議をします。
清算人は取締役であってもそれ以外でも1名以上いれば問題ありません。
監査役は解散があっても、そのまま退任登記をせずに清算業務の際にも存在します。
なお、解散日については、決議の日から概ね2週間以内の日であれば問題ないとされています。
決議が終了したら、解散日から2週間以内に解散登記と清算人選任登記を申請します。
解散公告を行う
解散決議をしたら速やかに解散公告をします。
これは知れたる債権者に対して、会社が解散したこと、債権があったら解散日後2ヶ月以内に届ける旨の内容の公告をします。
これは会社法で決められている法定公告です。
実務では、解散日が決まっていれば、あらかじめ解散公告の申込みを官報販売所に行い、公告を出したい日に解散公告が出るように手配します。
公告の方法については、こちらのブログを御覧ください。
清算事務 残余財産の分配
解散決議、清算人が承認されたら、清算人は速やかに清算事務に入ります。
売掛金の回収なり、債務の支払いなど、貸借対照表上の数字をすべてゼロにする手続きを行います。
清算事務が終わった段階で、財産が余ったら、株主に残余財産を分配します。
清算人は清算業務につき、清算事務報告書を作成します。
なお、清算業務をしたら、会社の財産がマイナスになった場合は、破産手続きに移行します。
清算事務の承認決議 清算結了へ
清算人は清算事務報告書を作成したら、株主総会で承認を受ける必要があります。
そして清算事務報告が承認され、清算結了となります。
そして、清算事務報告が承認された議事録と清算事務報告書を添付して清算結了登記を申請します。
注意しなければならないのは、清算結了の登記申請は解散登記してから2ヶ月以内の日付だと受理されないということ。
会社債権者への清算の手続きで2ヶ月必要だと会社法で定められているからです。
なので、仮に会社債権者がいなくても、清算事務報告書の作成は、解散決議をしてから2ヶ月を経過した日にする必要があります。
裏を返せば、清算事務は最低2ヶ月間しなければならないことになります。
まとめ
解散から清算結了に至るまでの大まかな流れを紹介しました。
これから起業する方も知っておくといいと思い紹介しました。
今回は
『小さな会社の企業法務 会社のたたみ方はどうすればいいのか 解散・清算結了』
に関する内容でした。
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参考書籍
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