東京都江戸川区葛西駅前
会社設立などの企業法務・相続専門
司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一です。
目次
はじめに
今回はマニアック論点ですが、それなりに重要な問題。
特例有限会社、現在は設立できませんが、平成18年4月30日までは設立可能でした。
当然特例有限会社も設立時に定款が必要でしたが、どうも設立当時のままの会社も多いようです。
これだと、正直まずいこともあります。
この機会に特例有限会社の定款も見直すことを提案します。
あわせて、あなたの会社規模を大きくしたいのであれば、株式会社にすることも検討するべきです。
なぜ定款の見直し、株式会社にする検討が必要なのか、そのあたりを解説していきます。
特例有限会社の定款は見直すべき?
定款のみなし規定、削除規定が多いことを知っていますか?
会社法施行にあたり、有限会社法が廃止されました。
すべて会社法に統一されています。
しかし、会社法の条文をそのまま適用すると不都合になる部分もあるので、整備法という法律で調整を図っています。
整備法で、定款に規定されているとみなされているもの、定款で削除されるものを規定されています。
となると、あなたの会社の定款で、法律上定款に規定されているものとみなされているものが記載されていないこともあります。
さらには、本来削除すべき条項があるにもかかわらず削除していない状態で残っているかもしれません。
あなた自身がこれらの内容を把握しているのであればいいのですが、おそらくしていないでしょう。
なので、特例有限会社の定款の見直しが必要になるのです。
つまり、このまま会社経営をしてしまうと、古い定款で判断してしまい、定款違反の行為をする危険があるからです。
みなし規定なんてあるなんて知らなかったでは済まされないのです。
会社の規模を拡大したいならこの機会に株式会社にする方法も?
特例有限会社のままだと、機関設計や組織再編で不利益を受けることもあります。
つまり、特例有限会社のままだと、会社の規模を大きくすることは難しいと思っていいでしょう。
もし、事業拡大を狙っているのであれば、株式会社にするのも一つの手です。
注意しなければならないことは、株式会社にすると、決算公告の義務が発生すること、一度株式会社にすると、特例有限会社に戻すことはできないなどのデメリットがあります。
そのことを考慮して、株式会社にしたいのであれば、早めに行ったほうがいいです。
特例有限会社のままで残ることも選択肢?
自分の会社は自分の代で終わるからそのまま特例有限会社でいたい、今のところ特例有限会社で不都合がないという場合は、そのままでもいいでしょう。
しかし、特例有限会社は何時になるか分かりませんが、株式会社に移行しなければならないことは承知してください。
特例有限会社は、いつかはなくなるという法律の建前で現在存在しているに過ぎないからです。
特例有限会社のまま残る選択肢をとった場合でも、上記で記載したとおり、定款の見直しはしないといけません。
まとめ
なぜ特例有限会社の定款を見直さなければならないのか、お分かりいただけましたか?
特例有限会社だから経営は適当でいいわけではありません。
法律上株式会社と同じ扱いだからです。
なので、株式会社と同じように定款の見直しは絶対にしなければなりません。
特例有限会社の定款の見直しでお困りであればぜひご相談ください。
今回は
『特例有限会社の定款 会社法施行当時のまま、見直すべき?』
に関する内容でした。
あわせて読みたい
特例有限会社のままだとみなし解散の制度の適用もありません。
こちらのブログも御覧ください。
参考書籍
特例有限会社の登記Q&A
神崎 満治郎 テイハン 2015-06
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会社法定款事例集
田村 洋三 日本加除出版 2015-07-01
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