東京都江戸川区葛西駅前
会社設立などの企業法務・相続専門
司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一です。
目次
はじめに
最近、一般社団法人を設立したい方が増加しています。
株式会社や合同会社と比べお金の匂いがしない、つまり営利を目的としない感じがするのでしょう。
でもあなたがやりたい事業が本当に一般社団法人に向いているかどうかは検討する必要があります。
一般社団法人であなたが疑問に思っていることは?
あなたが一般社団法人を設立するに当たり、以下の疑問点が湧いてくるでしょう。
- 一般社団法人設立のとき、どこかの役所に届け出る必要はあるのか?
- 一般社団法人を設立した後、税金は株式会社や合同会社より節税できるか?
- 一般社団法人は営利を目的として設立することはできないか
- 一般社団法人の設立はどのように設立するのか?
- 株式会社と合同会社との違いはあるのか?
以下細かく説明いたします。
一般社団法人設立時にどこかの役所に届け出る必要はあるのか?
平成20年の一般社団法人法ができるまでは、社団法人を設立するに当たり、役所に届け出る必要がありました。
上記法律ができてから、一般社団法人の設立の際に、役所の届出はいらなくなりました。
なので、公証人の定款認証や法務局への設立登記をする場合を除き、役所に赴く必要はありません。
なお、将来公益目的事業を行う場合には、行政庁の認定を受けて、公益社団法人となることができます。
一般社団法人を設立した後、税金は株式会社や合同会社より節税できるか?
一般社団法人は、原則はすべての所得に対して課税されます。
一般社団法人を設立したからといって、株式会社と合同会社と同様の税制体系となり、税制面で優遇されることはありません。
ただし、条件が整えば、一般社団法人で法人税法上の非営利法人となることができ、会費収入分の所得に対して非課税となったり税制面で優遇されることがあります。
なお、法人税法上の非営利法人となるためには、定款の定め方や理事の要件が厳格になるため、非営利法人の一般社団法人を設立する場合は、必ず専門家と相談してください。
さらに税務署にも法人税法上の「非営利法人」に該当するかも確認してから進めてください。
一般社団法人は営利を目的として設立することはできないか
勘違いしている方の多くは、一般社団法人はお金儲けをしてはいけないとおもっていること。
実は、一般社団法人も営利事業を行うことは可能です。
一般社団法人はその事業内容や種類について他の法律に抵触しなければ自由に行うことができます。
ただし、税制面で優遇される「非営利法人」型一般社団法人を設立する場合、主たる事業が収益性を伴わないことが要件になるので注意です。
一般社団法人の設立はどのように設立するのか?
一般社団法人の設立手続は株式会社の会社設立とほぼ同じです。
まずは定款作成と公証人の認証が必要です。
そして法務局に一般社団法人の設立登記をすれば、一般社団法人が誕生します。。
設立登記を申請した日が、一般社団法人の誕生日となります。
株式会社は、定款認証後、発起人の払込手続が必要ですが、一般社団法人は資本金の概念がないので、払込手続は不要です。
株式会社と合同会社との違いはあるのか?
株式会社と合同会社は、設立時は1名でできます。
しかし、一般社団法人は、設立当初は社員が2名必要です。
なので、社員となる方を見つけてくる必要があります。
将来の事業展開を考えて社員を決めないと設立後にトラブルを生じてしまいます。
なお、一般社団法人の理事は1名いれば大丈夫です。
あと、株式会社や合同会社は株主もしくは社員に剰余金又は残余財産の分配をすることができます。
しかし、一般社団法人は、社員に剰余金または剰余金の分配をすることはできませんし、定款にその旨を定めることもできません。
ただ、会社設立後、中小零細企業の場合、剰余金の配当はほとんどされていないことを考慮すると、一般社団法人で社員に剰余金の配当ができなくても特段問題ないように思います。
まとめ
最近は、家元制度やボランティア活動のために一般社団法人を作りたい方が増えています。
また、相続税対策や家族信託の受け皿として一般社団法人の設立もあります。
これから、一般社団法人の設立の需要は増えるだろうと思います。
今回は
『一般社団法人を設立したい!設立手続は簡単にできるのか?気をつけないといけないことは?』
に関する内容でした。
あわせて読みたい
ひとり会社を設立する際、株式会社と合同会社どちらがいいか、別記事でまとめましたので御覧ください。
ひとり会社 会社設立は株式会社と合同会社どちらがいいか教えてください!
一般社団法人の設立についての参考書籍はこちら
これだけは知りたい! 一般社団・財団法人の設立について〔第2版〕 (KOHOKYO Library 1)
公益財団法人公益法人協会 公益法人協会 2017-07-11
|