東京都江戸川区葛西駅前
会社設立などの企業法務・相続専門
司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一です。
目次
はじめに
2017年6月、「一般社団法人のつくりかた&活用しかた」について講師をしてきました。
今回のブログは、「一般社団法人のつくりかた&活用のしかた」から講義録をほんの少し抜粋して紹介していきます。
どのような事業を行う方が一般社団法人に向くのでしょうか?
それを解説していきます。
一般社団法人のつくりかたと活用のしかた どの場合一般社団法人が向くのか?
一般社団法人の設立件数はどのくらい?
平成28年、法務省から発表された登記統計によると、一般社団法人の設立件数(合併による場合も含む)は6,000件くらい。
ちなみに一番一般社団法人の設立件数が多かった年は、平成25年の9,000件強。
その後、平成26年は6,000件台、平成27年は5,000件台に減り、また6,000件台に回復しています。
ちなみに株式会社や合同会社の設立件数と比べて見ると、平成28年、株式会社の設立件数は90,000件、合同会社の設立件数は23,000件ほどです。
これを見ると、一般社団法人の設立件数は少ないのが分かります。
正直、一般社団法人が思った以上に浸透していないのかもしれません。
なお、平成29年度の一般社団法人の設立件数は6,442件と平成28年と比べると365件ほど増加しています。
なぜ一般社団法人が浸透しないのか?
私見ですが、一般社団法人の設立段階で社員が2名必要なところに大きなハードルがあるように感じます。
社員は、法人の構成員であり、社員総会で議決権を持つなど重要な地位です。
人数合わせのために社員を選ぶと後々トラブルのもとになってしまうでしょう。
社員を誰にするのか、そこで迷ってしまうところに一般社団法人を選択しない要因があるかもしれません。
なお、設立後は、社員は1名になってもかまわないことも意外と知られていないところです。
ちなみに、最近一般社団法人の役員変更登記をした際は、社員が1名になっていたので、その旨社員総会議事録に記載して登記を申請しました。
一般社団法人はどんな事業に向いているか?
一般社団法人はあまり儲けることはしない、同じベクトルで目的を達成しようとする事業に向いています。
なので、地域のコミュニティーとかシニア・主婦起業にはピッタリの形態です。
特に最近、地域の希薄性が社会問題になりつつありますが、何かサークルとかつくって、地域を活性化させる。
地域社会に貢献するために一般社団法人を設立するのもありです。
むしろ、そのために一般社団法人を活用していただきたいです。
あとは、昨今話題になっている「協会ビジネス」
株式会社にしてしまうと利益優先にイメージが付いてしまいますが、一般社団法人だと利益というより公益性のイメージが強いので「協会ビジネス」には向いています。
ただ、最近は「協会ビジネス」の弊害が出てきているので、協会ビジネスを立ち上げる際はそのスキームについてしっかり構築する必要があるでしょう。
一般社団法人を作ったところで、結局社会のために貢献出来ていない法人もあるようなので、何のために設立したのかそこも考える必要があるでしょう。
一般社団法人の理事の任期も考えること
株式会社の場合は、原則取締役の任期は2年ですが、定款で最大10年まで任期を伸ばすことが可能です。
一般社団法人の場合、理事は一人でも大丈夫。
ただ、任期は2年、株式会社のように任期を伸ばすことはできませんので注意が必要です。
また、一般社団法人もみなし解散制度があり、最後の登記をしてから5年を経過すると解散登記が法務局でされてしまうので注意が必要です。
まとめ
個人的にはまだまだ一般社団法人の活用が少ないように感じています。
地域密着、同じ方向で行動している方々に一般社団法人は向いています。
法人化する際、会社だけでなく一般社団法人も選択肢に入れておくべきす。
今回は
『一般社団法人のつくりかたと活用のしかた どの場合一般社団法人が向くのか?』
に関する内容でした。
※写真は主催者である石和実さんに撮影していただきました。
ありがとうございます。
あわせて読みたい
一般社団法人の設立について、さらに詳しく解説しました。あわせて御覧ください。
一般社団法人を設立したい!設立手続は簡単にできるのか?気をつけないといけないことは?
参考書籍
改訂版 一般社団・財団法人設立完全マニュアル
福島 達也 学陽書房 2015-12-10
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