東京都江戸川区葛西駅前
会社設立などの企業法務・相続専門
司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一です。
目次
はじめに
株式会社設立時の定款が大事だということをこのブログではかなり書いています。
つまり、法務省などで紹介されている定款は自分の会社でそのまま当てはまるとは限りません。
特に関係当事者が複数に渡るときは、注意が必要です。
今回は株主や取締役が複数いる場合に定款のどの部分に気をつけるべきか、私見を交え紹介します。
株式会社設立時の定款 取締役・株主数で条項を変える必要がある?
株主が複数いる場合の定款の注意点は?
株主が一人の場合は、株主総会の運営とかそこまで神経質になる必要はありません。
問題は株式会社設立当初や会社設立後に株主が複数いる場合。
持株比率や株主との関係で定款の条項に注意しなければなりません。
株主になった経緯、例えば共同経営で株主になったのか、出資だけで経営に口出ししないのか
様々な要因で定款の条項の内容が変わってきます。
特に株主が複数いる場合で注意するべき条項は株主総会に関する部分。
株主総会の招集手続を書面できちんとするのか否か、招集期間をどのくらいにするのかは考慮する必要があります。
定款違反の招集手続は株主総会決議取消の訴えの対象になりかねません。
議決権に関する部分も注意!
株主総会の招集手続の他にも注意していただきたいのは、議決権に関する部分。
普通決議で定足数を排除してしまうと株式の持分割合にかかわらず勝手に株主総会を開催できたりして、中小企業の経営に悪影響を及ぼします。
以上の点から、株主が複数いる場合は定款の条項に気をつかう必要があります。
取締役が複数いる場合の定款の注意点は?
こちらはブログでも何度も書いていますが、一番の問題は取締役の任期。
むやみに任期を10年にしてしまうと、取締役を会社の都合で解任したいときに影響を及ぼします。
あと、ひとり取締役でずっときていたが、途中から新たに取締役を選任した場合の新任取締役の任期をどうするのかも、配慮する必要があります。
そういうのは、定款の条項にきちんと盛り込むことで解決できる部分です。
ちなみに任期の部分ですが、実質経営者を任期10年にして、残りの取締役の任期を2年とすることも可能と解されています。
まとめ
定款の内容は、会社の規模に応じて変えていく必要があります。
特に株主や役員が複数いる場合は、定款の規定に配慮する必要があります。
最初はひとり株式会社でスタートしたが、規模拡大により、株主や取締役が複数になった場合は、定款の規定も見直す必要があることを意識してください。
今回は
『株式会社設立時の定款 取締役・株主数で条項を変える必要がある?』
に関する内容でした。
参考書籍
会社法定款事例集―定款の作成及び認証、定款変更の実務詳解
田村 洋三 日本加除出版 2015-08-01
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中小企業のための戦略的定款―作成理論と実務
司法書士グループLLP経営360° 民事法研究会 2008-06
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