東京都江戸川区「6回目でやっと司法書士試験に合格した「相続・商業登記を軸とした中小企業支援業務」の専門家」「登記業務を通じてお客様に寄り添う」 資格試験アドバイザー 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
今回は不動産の登記事項証明書の「権利部」の「乙区」に記載される事項について紹介します。
最後に、住宅ローンを完済する前に所有者が亡くなってしまった場合、保険で全て金額を賄うことができ、担保権を抹消する際の留意点について書きましたので参考にしてください。
不動産の「乙区」には何が記載される?
不動産の登記事項証明書の「権利部」。
「甲区」には、所有権に関する事項について記載されます。
一方「乙区」には、所有権以外の権利に関する事項が記載されます。
具体的には
- 抵当権
- 根抵当権
- 地上権
- 賃借権
などです。
なお「乙区」は「甲区」と異なり、必ず登記事項証明書に記載されるわけではありません。
それは住宅ローンなど担保権のない状況で不動産を購入すれば、抵当権の登記は不要なので、乙区に記載される事項がないからです。
「乙区」は順位番号が重要!
この不動産にはどれだけ担保余力があるのか?
「乙区」を見ればあらかた分かります。
特に金融機関では、この不動産にどれだけの資産価値があり、あとのどのくらいの余力があるのか、担保をつけて大丈夫か、登記事項証明書で
必ずチェックします。
仮にこの不動産を売ったら、どれだけ回収できるのか、それを見越して融資金額を決めます。
当然、先順位に担保権が既にある場合は、よぽど担保余力がなければ融資はできません。
あと、甲区に差押登記が入っている場合も担保はできません。
いずれにしても、乙区は不動産の担保余力をみる部分だと覚えておくといいでしょう。
乙区は甲区よりも順位番号が重要になります。
乙区に記載される事項は?
抵当権や根抵当権など記載すべき事項は、不動産登記法で決められています。
一般の方が抵当権などつけることはよっぽどのことがない限りないので、説明は割愛します。
ただ、住宅ローンで不動産を購入した場合は、当然抵当権は設定されています。
抵当権の記載事項は「債権額」「利息」「損害金」「債務者」となります。
自分の不動産の抵当権の内容を知っておくことは意外と大事です。
住宅ローンを完済したのだが・・・
担保権(主に抵当権)を消す場合は、金融機関から書類をもらって自分でするか、司法書士に依頼して抹消登記手続きをします。
注意して抱きたいのは、担保権抹消当時、既に所有者が亡くなった場合。
その場合は、甲区の所有者については相続登記をしなければなりません。
相続登記をし終わったら、乙区の担保権の抹消登記をします。
乙区について、債務者が亡くなっていても、実務では相続による変更登記をしなくてもいいという扱いになります。
まとめ
今回は不動産の登記事項証明書の「権利部」の「乙区」について書きました。
「乙区」には所有権以外のことが書かれることを覚えておくといいでしょう。
また、所有者が亡くなった後に担保権が消滅した場合、所有権の相続登記をした後、担保権の抹消登記をする必要があることを覚えておきましょう。
今回は
『所有権以外のすべて: 不動産の乙区に何が記されているかを江戸川区船堀の司法書士が解説』
についてでした。
あわせて読みたい
不動産の登記事項証明書の読み方「甲区」についてはこちらを御覧ください。