東京都江戸川区「6回目でやっと司法書士試験に合格した「相続・商業登記を軸とした中小企業支援業務」の専門家」「登記業務を通じてお客様に寄り添う」 資格試験アドバイザー 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
「相続」は多くの家庭で避けて通れない重要な問題です。
しかし親子間で相続の話をするとどうしても後ろ向きになりやすい。
親は自分の相続のことなど考えたくないし、子は親の相続のことが心配でも、喧嘩になるから言いづらい…
でもいつまでもそのままにしていくわけにはいきません。
今回は「親子間の相続の生前対策」について書いていきます。
子どもが親の相続について心配する理由
なぜ子供は親の相続のことを心配するのでしょうか。
大きく分けて、以下のとおり考えられます。
・財産分割の不公平
兄弟間での財産分割において、不公平が生じることが心配事の一つです。
特に親の面倒を自分が見ていた場合、そのような問題が起こりがちです。
・相続税の問題
相続税の計算や納税資金の準備に関して不安を感じることがあります。
・遺産争い
遺言書がない場合、遺産を巡る争いが発生する可能性があります。
財産からくる問題もありますが、多くは人間の「ココロ」の問題が起因していることが多いです。
なので、子供も親を亡くしたときに相続のトラブルに巻き込まれて疲弊してしまうのではないかと心配しているのです。
相続の生前対策とは何か?
相続の生前対策とは、遺言書の作成、生命保険の活用、財産の名義変更など、相続人が亡くなった後の手続きやトラブルを減らすために、生前に行う様々な計画や手続きのことを指します。
亡くなってから問題が表面化する前に、生前でできることをあらかじめ予想して対策を講じることだと理解してください。
これには、資産の整理や相続税の対策も含まれます。
親が元気なうちの生前対策はできる選択肢が広いので、いろいろ対策を講じることができます。
しかし、生前対策でも親が認知症になってしまうと、遺言ができなくなったりして、選択肢がかなり狭くなります。
なので、早めの対策が必要なのです。
相続の生前対策でできる解決策とは?
・「遺言書の作成」
遺言書を作成することは、相続における最も基本的かつ効果的な対策の一つです。
遺言書には、財産の分配方法や後継者の指名など、自身の意志を明確に記載することができます。
これにより、亡くなった後の財産分割を円滑に進めることが可能となります。
・「生命保険の活用」
生命保険金は相続財産に含まれません。
そのため、生命保険を利用して相続人に直接金銭を渡すことができます。
これにより、相続税の対策や、特定の相続人への資金提供など、柔軟な資産の分配が可能になります。
あとは遺留分対策にも生命保険の活用は有用だとされています。
・「財産の名義変更(贈与)」
生前贈与や不動産の共有名義など、財産の一部を生前に子どもなどの相続人に移転しておくことも一つの手段です。
これにより、相続財産を減らすことができ、相続税の負担を軽減することが可能です。
ただし、2024年1月1日から相続税・贈与税に関して大きく変わります。
大きな改正点は、「生前贈与の加算期間延長」と「相続時精算課税制度の基礎控除(110万)新設」の2つです。
・「民事信託」の活用
あなたが大きな財産を持っているとします。
でも、いつかはその財産を誰か信頼できる人(家族が多いです)に託さなければならない日が来ます。
ただ、直接渡すのではなく、「信頼できる人」に一時的に預けて、あなたの決めたルール(契約)に従って、その信頼できる人に財産を渡してもらう方法があるとしたらどうでしょう?
これが「民事信託(家族信託)」です。
つまり、あなたの大切な財産を、あなたの意思に沿って、未来に安全に渡す方法の一つです。
まとめ
相続は、多くの場合、親と子の間でオープンに話し合われるべきテーマです。
生前対策を講じることにより、相続に関する不安を軽減し、家族間のトラブルを防ぐことができます。
遺言書の作成、生命保険の活用、財産の名義変更(贈与)、民事信託などを通じて、スムーズな相続手続きを実現しましょう。
相続は避けられないものですが、適切な準備によって、そのプロセスをより円滑に、そして平和的に進めることが可能です。
今回は
『家族で話せる相続準備:親子で取り組む生前対策ガイド』
に関する内容でした。
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