東京都江戸川区 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 資格試験アドバイザー 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
遺言を書くこと。
子供が親にそのことを言うと親が嫌がるとよく耳にします。
ただ「遺言」を書くという行為に抵抗があることも理解できます。
最近は「終活ブーム」もあり、「遺言」を書くのは少しハードルが低くなりつつあります。
まずは、手軽に書くことができる「自筆証書遺言」から始めてみてはいかがでしょうか。
自筆証書遺言を書くときの注意点も含めて紹介します。
自筆証書遺言とは?
自筆証書遺言は、一部を除き、自分で手書きした遺言のことです。
自筆証書遺言は、全文、日付及び氏名を自分で書き、印鑑を押す必要があります。
ただし、自筆証書遺言に添付する財産目録については、パソコンで作成したり、写真、登記事項証明書、通帳のコピーなどを合綴する方法も法改正で認められるようになりました。
ただ、自書でない財産目録を添付する場合は、財産目録の各ページに署名押印が必要です。
両面コピーの財産目録を添付するときは、両面に署名押印が必要です。
署名押印のない財産目録は遺言書として無効になります。
自筆証書遺言のメリット・デメリット
自筆証書遺言のメリットは、手軽に書けること。
用紙は特段要件はありません。(法務局に保管する場合はA4の用紙を用いることになります)
ただし、法律に則っていないと無効になることもあるので、注意です。
あとは、公正証書遺言と比べると費用がかからないこと(法務局で自筆証書遺言を保管するときは3,900円かかりますがそれでも公正証書遺言と比べると安いです)
デメリットは、遺言の内容に誤解が生じやすいことや、遺言書そのものを紛失してしまうリスクもあること。
遺言書を書く際には、自分の思いが詰まった情報を盛り込むことが大切です。
大切な人々への思いや財産の分け方を法律に基づいて書いておくことが大事です。
でも、気をつけないと後々相続人間でトラブルの原因になることも。
きちんと理解して、正しく書きましょう。
自筆証書遺言を書く時の注意点は?
自筆証書遺言を書く際は、誰がどの財産を受け継ぐかを明確に書くことが大事です。
日付や自分の署名・捺印もも忘れずに。
なお、自筆証書遺言を書いていて、訂正したい場合は注意です。
「加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない」と民法で定められています。
財産目録を訂正するときも同様です。
訂正する場合は面倒なことになるので、最初から書き直すほうが、面倒ではありますが、遺言の効力の観点から適切です。
大切な自筆証書遺言を守る方法
自筆証書遺言を大切に保管するためには、防水・防火の袋や箱に入れ、安全な場所に保管するといいです。
さらに、家族や信頼できる人にその場所を知らせることも忘れずに行いましょう。
遺言が紛失されないようにするための工夫が必要です。
自宅等で保管すると、紛失するおそれがあることから、自筆証書遺言を法務局で保管してもらえる制度があります。
自筆証書遺言を法務局で保管する場合のメリットとして、家庭裁判所の検認手続が不要であること。
なので、自筆証書遺言はできれば、法務局で保管する方法を採用すべきでしょう。
自筆証書遺言は誰に向いている?
自筆証書遺言は、物事を自分で決めたい人や、特定の遺産を残したい人に向いています。
また、手軽に始められるので、自筆で書くのが嫌でない方は自筆証書遺言をおすすめします。
しかし、法的な要件を理解していない人や、細かいルールを守るのが難しい人は、公正証書遺言を選択するのもありです。
自筆証書遺言を希望する方は、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。
自筆証書遺言と公正証書遺言の比較
自筆証書遺言は手軽に作成できますが、正しく書かなければ無効になる可能性も。
一方、公正証書遺言は公証役場で作成し効力が高いですが、手続きに費用と時間がかかります。
最初は自筆証書遺言で作成し、後日公正証書遺言に切り替えるのもありです。
遺言者死亡後に自筆証書遺言を発見した場合
まず、自宅で自筆証書遺言を発見した場合、封したまま、家庭裁判所の検認手続を受けてください。
家庭裁判所の検認手続は、あくまで、遺言者が本当に遺言者が作成したかどうかを確かめ、利害関係人にその内容を知らせ、遺言の偽造や変造を防ぐとともに、その保存を確実にするためのものです。
遺言の内容を判断したり、遺言そのものの有効・無効を判断するものではありません。
あと、自筆証書遺言を法務局で保管した場合は、家庭裁判所の検認手続が不要です。
なので、私は自筆証書遺言を書いたら、法務局で保管することをおすすめしています。
まとめ
自筆証書遺言は、個人の意志を尊重する方法として利用されますが、正しく作成しなければ意図した通りにならないこともあります。
慎重に遺言書を作成し、大切な人たちに安心をもたらす遺言を残しましょう。
今回は
『自筆証書遺言とは?大切なことを伝えよう!公正証書遺言と比べてどうなの?江戸川区船堀の司法書士がわかりやすく解説!』
に関する内容でした。
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