相続手続 再転相続て何?江戸川区船堀の司法書士が解説! 

東京都江戸川区 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 資格試験アドバイザー 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。

はじめに

相続手続で大事なのは、被相続人の財産を承継するかどうか。

「相続放棄」をするか「相続財産」を引き受けるか、そこで大きな選択を迫られることになります。

今回はあまり聞いたことがないかもしれないことば「再転相続」について紹介します。

再転相続ってそもそも何?

再転相続とは、本来の相続人が相続を承認または放棄する前に死亡したときに、本来の相続人の相続人が自分の相続の権利とともに相続を承認または放棄する権利を引き継ぐことをいいます。

例えば、被相続人A(祖父)が死亡し、父Bが相続人となったが、承認・放棄をしないまま死亡したし、Bの相続も開始した場合において、Bの相続人である子のCは、祖父Aの相続に関する父Bの承認・放棄の権利を承継し、Aの遺産の相続に関する承認・放棄を選択できます。

これが「再転相続」の具体例で、この場合のCを再転相続人といいます。

再転相続の問題点 熟慮期間について

相続についての「熟慮期間」が定められており、相続人が事故のために相続があったことを知ったときから3ヶ月以内で相続を承認するか・放棄するかを決める必要があります。

では、再転相続の場合はどうなるのでしょうか。

最高裁令和元年8月9日判決の事案をもとに紹介します。

この事案では、伯父Aが死亡し、その相続(第1次相続)が開始したものの、Aの相続人である父Bが相続の承認・放棄の選択権を行使しないまま死亡し、Bの相続(第2次相続)も開始し、その子Cが相続人になった事案です。

その時の熟慮期間の起算点について、第1次相続基準説(Aが死亡したときを知ったときから起算)を採用するのか、第2次相続基準説(Bが死亡したときを知ったときから)を採用するのかで判断が分かれていました。

令和元年8月9日の判決では第1次相続基準説を採用して、再転相続人Cの立場を保護する判断となりました。

つまりは、CのAの相続に対する熟慮期間はAの相続開始があったことを知ったときからになります。

判決の要旨で大事な部分をピックアップしておきます。

民法916条にいう「その者の相続人が自己のために相続の開始があったことを知った時」とは、相続の承認又は放棄をしないで死亡した者の相続人が、当該死亡した者からの相続により、当該死亡した者が承認又は放棄をしなかった相続における相続人としての地位を、自己が承継した事実を知った時というものを解すべきである。

最高裁令和元年9月16日判決より

一般の方は、相続の熟慮期間は自己のために相続が開始があったことを知った時と押さえておくといいでしょう。

再転相続の放棄ができる場合・できない場合

被相続人A(祖父)が死亡し、その相続が開始したものの(第1次相続)、父Bが相続人となったが、承認・放棄をしないまま死亡したし、Bの相続も開始した場合(第2次相続)において、Bの相続人である子のCは、祖父Aの相続に関する父Bの承認・放棄の権利を承継します。

しかし、それぞれの相続を承認できる場合とできない場合があります。

できない場合を紹介しますと、まず最初に第2次相続を放棄した場合は、第1次相続については承認・放棄はできないことになります。

これは、第2次相続で放棄した以上、Bが有していた相続の承認・放棄の選択権を失うからだと説明されています。

これを軸に考えていくと、第2次相続でCがBの相続を承認した場合、まだBのAに対する相続承認・放棄の選択権は残されているので、CはAの相続について、相続を承認するか放棄をするかどちらも選択できます。

以上をまとめると、Cが取りうる選択肢としては、以下のとおりとなります。

・祖父A・父Bともに相続する
・祖父Aは相続放棄し、父Bは相続する
・祖父A・父Bともに相続放棄する

なので、原則は、先に第2次相続で放棄をすると、「祖父Aは相続承継し、父Bは相続放棄をする」という選択はできないということになります。

また、別の論点で、子Cがまず祖父Aの第1次相続を承認して、その後父Bの第2次相続を放棄ができるかという問題があります。

先に第2次相続を放棄すると、第1次相続の承認・放棄の選択権はないということでしたが、順番が逆の場合はすることができ、Cは第1次相続(Aの相続)の相続分を確保できるものとされています。

なので、第1次相続と第2次相続の承認・放棄の順番をどうするかで、結論が変わり、相続分にも影響がでることに注意です。

代襲相続と再転相続の違い

代襲相続は、相続人となるべき者が被相続人よりも先になくなったりした場合に、相続人の子が代わりに相続人となることをいいます。

一方で再転相続は、相続承認するか放棄するかを決定する期間内に相続人が死亡した場合に、その法定相続人がその相続に関する権利を引き継ぐことをいいます。

違いがあることはおわかりいただけたと思います。

まとめ

再転相続は他にもややこしい論点があるため、専門家のアドバイスを聞きながら対応するといいです。

また、再転相続の場合は、いつから熟慮期間が開始されるのか、第1次相続と第2次相続の承認・放棄の順番で結論が違ってくることを覚えておいてください。

今回は
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司法書士・行政書士 桐ケ谷 淳一

鉄道(乗り鉄・撮り鉄両方)と麻婆豆腐・担々麺をこよなく愛する司法書士・行政書士です。
ひとり会社設立、副業・複業、小さな会社の企業法務の分野を得意としています。
1977年1月 東京生まれ東京育ち
2000年 日本大学法学部法律学科卒業
2004年 司法書士試験合格
2005年 行政書士試験合格
2007年 東京都江戸川区葛西駅前にて司法書士事務所・行政書士事務所を開業
2017年 平成27・28年施行改正会社法・商業登記規則、役員変更登記の注意点(株式会社レガシィから)のCD・DVDを出しました。

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