相続登記の基礎 依頼してから登記完了までにどのくらい時間がかかるか 司法書士が解説します
東京都江戸川区葛西駅前 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 資格試験アドバイザー 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
相続登記は不動産の名義人が亡くなったときに相続人に名義を移すために必要な手続きです。
さらに名義人の亡くなった自宅を売却したいときも前提として相続登記が必要です。
よく依頼してから相続登記が終わるまでにどのくらいの時間がかかるのかを聞かれます。
今回は依頼を受けてから登記完了までにどのくらいの期間がかかるのか、十数年業務をしている司法書士の目線から解説します。
相続登記の基礎 依頼してから登記完了までにどのくらい時間がかかるか
相続登記で意外と時間がかかる場合 戸籍の収集
司法書士に依頼する場合、多くの場合は、不動産の名義人は相続人間でお話がついているということがほとんど。
さらには遺言書がないことが今まで依頼を受けて一番多いです。
なので、まず、司法書士として依頼を受けて業務をする場合に多いのが戸籍の収集です。
戸籍の収集は被相続人の出生から亡くなるまでの戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍をまずは亡くなった本籍地の役所から取得していきます。
結婚すると戸籍が作成され、さらに婚姻から亡くなるまでの間に戸籍法が改正され、死亡当時の戸籍と婚姻から法律改正時までの戸籍を取得することが多いので、まずは最低2通は取得します。
そして出生から婚姻までの親の戸籍を最低でも1通は取得するので、多くの場合3通以上は取得します。
生まれてから亡くなるまで転籍していなければ同じ役所で取得可能ですが、結婚や引っ越しなどを契機に転籍されている方も多いので、請求先が地方の役所の場合もあります。
そうなると、その役所に戸籍を請求する必要があるので、1週間程度時間がかかることもあります。
転籍の程度や誰が相続人となるかで戸籍収集に時間がかかることがあります。
なので、あっさり戸籍収集が終わることもあれば、1か月ほど戸籍収集に時間を要することもあります。
遺産分割協議書を作成して相続人に押印してもらう
戸籍収集が終わったらまずは相続人を確定させます。
依頼者が思っても見なかった相続人が出てくることも戸籍収集を通じてあります。
その場合は、その相続人に連絡する必要があるので時間がかかります。
そして、相続人が全員揃った段階で、遺産分割協議をして、協議書を作成します。
協議書には相続人全員が記名し実印を押印し、印鑑証明書を添付します。
相続人次第で時間を要することもあります。
相続登記をして名義変更が終了
相続登記に必要な戸籍謄本、遺産分割協議書、住民票などが揃ったら、相続登記を申請します。
登記申請は申請したらすぐに完了するわけではなく、だいたい1週間程度かかります。
完了するとオンライン申請している場合は通知が来ますので登記事項証明書を取得して業務は終了します。
依頼から登記完了まで結局はどれだけかかるのか
依頼を受けてから戸籍収集して遺産分割協議書に押印してもらい登記申請して完了するまで、ある程度書類が整っている方は1ヶ月弱が目安です。
戸籍謄本など書類が何もない状態からスタートすると、早くても1ヶ月半位かかります。
一番時間がかかるのが戸籍収集で、相続人が最終的に誰になるかを確定させる作業です。
まとめ
被相続人名義の自宅を売却する場合は、大まかな目安が必要になるのでこのブログを参考にしていただけると幸いです。
相続登記の申請期間は、令和4年2月21日現在、期限の定めはありません。
しかし、令和6年4月1日から相続登記が義務化されるので、申請期限があります。
いざ相続登記の手続を始めるとなると、戸籍収集なりで時間がかかるので、早めに対応することをおすすめします。
今回は
『相続登記の基礎 依頼してから登記完了までにどのくらい時間がかかるか 司法書士が解説します』
に関する内容でした。
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