「会社設立アドバイザー」
東京都江戸川区葛西駅前
司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一です。
もう一度特例有限会社のメリット・デメリットを考えてみる
あなたの会社、有限会社のままでいい?
あるお客様から
「株式会社にしないで、有限会社のままにしたほうがいいのではないか?」
という質問を受けました。
確かに、有限会社のままでもいい会社もあるでしょう。
ただ、これからの時代、会社として生き残るか生き残らないかを考えたとき、ずっと有限会社のままだとまずい気もするのです。
有限会社もあくまで「特例」として認められているだけで、いつ法律が改正されるかは分からないからです。
もう一度、特例有限会社のメリット・デメリットを考えてみましょう。
目次
特例有限会社のメリットは?
大きく分けて2つあります
- 役員の任期に上限がない
- 決算公告が不要
どちらもコスト面からのメリットです。
小さい会社にすると費用がかかるのは死活問題にもなりますので、費用を安く抑えられる会社経営も魅力ですね。
ただ、今の規模以上に大きくすることは難しいと思ってください。
以下のデメリットを見ていただけると納得いくでしょう。
特例有限会社のデメリットは?
デメリットは3つ。
- 株式会社に比べて信用度が劣る
- 組織再編に制限がある
- 株主間の株式の譲渡を制限できない
特に「信用性」と「組織再編」でデメリットが顕著に出てきます。
「信用性」の問題
平成18年5月の会社法改正で、有限会社は廃止され、資本金制度もなくなりました。
それまでは、株式会社は資本金1,000万円、有限会社は資本金が300万円必要でした。
今までのネームバリューの差が「信用性」の問題となって現れてきます。
あと、「株式会社」とこれからなくなる「有限会社」とどっちと取引したいか、これも「信用性」の問題です。
大会社と取引をする際に参考にされてしまう可能性が高いです。
「組織再編」の問題
以下の制限が出てきます
- 特例有限会社を存続会社とする吸収合併はできない
- 特例有限会社を承継会社とする吸収分割はできない
- 特例有限会社は株式交換、株式移転できない
今の規模以上の事業をしたい、拡大していきたいと思っているのであれば、有限会社のままだと難しいです。
「信用性」の問題と絡んできます。
どういう場合に有限会社から株式会社にした方がいいのか
例えば、ある下請会社数社入っていて、一つだけ有限会社だと、ネームバリューの面で差がでてしまう。
また、事業承継で次の代に繋げたい場合、有限会社のままだと、発展は難しいのでそれを基に株式会社に移行する。
やはり、ネームバリュー面と規模拡大を望むのであれば、株式会社にしたほうが得策です。
株式会社になると、機関設計も柔軟に対応でき、規模に応じて発展できます。
有限会社だと、どうしても出来る範囲が限られますが、今のまま維持若しくは縮小するのであればこのままでも構わない。
有限会社の経営者の方はは自分の会社の将来を見据えて考える事が大事ではないでしょうか。
今回もご覧いただきありがとうございました。
感想を聞かせていただけると嬉しいです.