相続も時代によって変化していくものか?
ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 鉄道大好き司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
自筆証書遺言について方式が緩和になったことはご存知でしょう。
しかも、法務局で自筆証書遺言を預かる制度も創設されました。
遺言にまつわる法整備も進む中、スマホ一つで遺言書が作れるアプリが登場したと話題になっています。
今回は遺言について触れていきます。
相続・遺言も時代によって変化していくのか?
アプリで作った遺言は有効か?
この遺言アプリ、必要項目を入力すれば誰でも簡単にデジタル遺言ができるものです。
しかもデータはブロックチェーンされるとのことで改ざんのリスクはないとのこと。
自筆証書遺言の要件緩和で、財産目録はパソコンで作ることが可能となっています。
これを開発した会社は、デジタル遺言作成で手軽に遺言書を作成してほしいことを狙いとしているようです。
ただ、デジタル遺言が法的に有効かというと、自筆証書遺言はあくまでも自筆で書かないといけないというのが建前。
なので、現状の法律ではデジタル遺言の法的効力はありません。
手軽に遺言を作成するメリットはなにか?
意外と心配しているのは、当事者ではなく相続人であるケースが多いです。
なので、スマホで簡単に遺言書の文案を作成できるのであれば親にもすすめることができるでしょう。
遺言書を書いて残しておくことで法的効力は認められませんが、後々自筆証書遺言や公正証書遺言に切り替えるときには楽でしょう。
そのように考えると、遺言書を手軽にかけるアプリはいい発想かもしれません。
個人的には、このような遺言を手軽にはじめられるものがあってもいいと思っています。
「エンディングノート」とかが話題となっていますが、こちらとアプリを併用してもいいかもしれません。
遺言は自分の思いを残すもの
ただ、個人的に思うところは、必要事項を入力するだけで、本当に相続人に対する思いは伝わるのかというところ。
このアプリではいわゆる「付言事項」についても対応しているようです。
しかし、自分の思いというのは、その人自身しかわからないところもあります。
私も遺言を作成する際には、自分の思いをきちんと残しておかないとあとあと相続人間でもめてしまいますとアドバイスしています。
なので、極力遺言書の作成は専門家に依頼しつつ、自分の本当の思いを伝えるものを作成すべきではないかと感じています。
定型的な文章よりも、自分で考えた内容のほうが相手に伝わるのではないでしょうか。
あと、ブロックチェーンするとなっていますが、暗証番号とか被相続人が伝えておかないと、結局オープンできないリスクもあるように感じます。
デジタル相続は、暗証番号が不明で財産開示が面倒であるということを耳にします。
そのあたりはどうしているのか気になるところです。
まとめ
遺言を始めるというのはどうしても敷居が高いと聞きます。
なので、まずは手軽にできるアプリとかから始めるのはいいかもしれません。
ただし、法的効力を生じさせるためには自筆証書遺言なり公正証書遺言にしないといけないことを押さえておいてください。
また、司法書士などの専門家を活用することも検討してください。
今回は
『相続・遺言も時代によって変化していくものか?』
に関する内容でした。
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