不動産登記・商業登記 登記を申請してから終わるまでにどのくらい時間がかかるのか?
ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 鉄道大好き司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
商業登記は登記事項に変更が生じたら、一定期間内に登記申請をしなければなりません。
その期間ですが、変更の効力が発生してから2週間以内となります。
一方、不動産登記も登記簿に記載してある内容に変更が生じたり、担保権を設定したりする場合、登記申請を行います。
では、登記申請をしたら、登記完了までどのくらい時間がかかるのか、このことはよくお客様から質問を受けるところです。
実務の肌感覚で、どのくらい登記申請に時間がかかるのか、紹介します。
不動産登記・商業登記 登記を申請してから終わるまでにどのくらい時間がかかるのか?
登記を申請してもその日に登記が完了しない
登記申請をしたらすぐに登記処理され、登記簿謄本を取得することができると思っている方が多いです。
意外と知らないこととして、登記申請したら、法務局が変更手続をすぐに行ってくれると思っていること。
しかし、実際は、登記申請をしてもすぐには登記処理をしてくれません。
法務局では他にも多くの登記案件を処理していかないといけなからです。
登記申請して、まずは、添付書面と登記申請内容が実体とあっているか、不備はないかとか調査します。
自分で登記申請をした場合、現状がそうであっても、民法や会社法その他関連法令があっていなければ登記は受理されません。
そのために速やかに登記が完了するわけではないのです。
登記申請をしてから実際に手続が完了するまで、およそ1週間かかります。
法務局の事件数が多い場合や、商業登記の管轄が本局だけの場合は、1週間以上かかることも想定されます。
特に商業登記の場合は、決算期後の4月、7月初旬あたり、不動産登記は月末や年度末は登記の処理が終わるまでに時間がかかると思ったほうがいいでしょう。
会社設立登記はファストトラック化で登記完了が早まっている
ここからは商業登記メインで書いていきます。
これは法務省の方針ですが、会社設立登記に関しては、登記申請して完了予定まで3営業日でできる方針をとっています。
これは、少しでも会社の営業活動を早めることが必要という判断から、そのようにすすめています。
今後は、会社設立登記に関しては、登記申請後24時間以内に終わらせる動きになっています。
ということは、申請人の側から登記申請に誤りを出さなかったり、申請書類に不備が内容にすることがより求められていることと言えます。
なので、スムーズな法務局の登記処理のためにも会社設立登記は極力司法書士に依頼して、経営者は会社の経営準備に邁進してほしいと私は思っています。
登記完了までに時間がかかる可能性があるので逆算して業務をする
ここも商業登記のお話になります。
登記事項証明書が金融機関なり官公署に提出する必要がある。
ただ、役員が変わったので最新のものに反映した登記事項証明書を取得する必要がある。
その場合に、いつまでに必要なのかを逆算して登記申請をする必要があります。
そうしないと、必要なときには登記が終わっていなくて、登記事項証明書が取得できないということもあります。
また、印鑑証明書も他の商業登記が申請されると取得できないこともあります。
登記申請前に代表者の印鑑証明書が必要であれば、取得してから登記申請するようにしましょう。
つまり、必要なときから逆算して登記申請する必要があるということです。
登記申請しても登記事項証明書を取得できると思っている方が多いので、ここは注意してください。
まとめ
不動産登記には権利発生からいつまでに登記しなければならないという期限はありません。
商業登記申請は、登記事項に変更が生じたときから2週間以内に登記申請する必要がある。
一旦登記申請をしてしまうと、会社設立登記申請を除き、登記完了までおよそ1週間かかる
法務局が繁忙期のときは、登記完了までかなりの時間を要することがあることは押さえておくといいでしょう。
今回は
『不動産登記・商業登記 登記を申請してから終わるまでにどのくらい時間がかかるのか?』
に関する内容でした。
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参考書籍
15訂版 商業登記の手続 | ||||
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