中小零細企業は書面決議(みなし総会)ができないか?

中小零細企業は書面決議(みなし総会)ができないか?

ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。

はじめに

自分の会社は株主が2名しかなく、このご時世なので、定時株主総会を書面とかで済ませたいのですが、できますか?

定時株主総会は毎年開催しなければなりませんが、会社法第319条によるみなし総会(書面決議)の方法なら可能です。

今回は、ひとり株式会社や株主が2名でしかも身内とかの場合の定時株主総会の開催のことについて書きます。

中小零細企業は書面決議(みなし総会)ができないか?

定時株主総会は毎年開催しなければならない

まず前提として、定時株主総会は毎年事業年度終了後3ヶ月以内に開催しなければなりません。

定款に記載されていることが多いです。

これは法人税の申告をする必要があり、計算書類の承認が必要だからです。

役員報酬も、前年度の実績をもとに決める会社も多いでしょうから、定時株主総会は毎年開催するものだと思ってください。

そして、計算書類の承認や役員報酬のことを決めたら株主総会議事録を作成して保管することをおすすめします。

株主の少ない会社の総会開催方法は?

ひとり株主であれば、計算書類ができた段階で、すぐに行うことができます。

問題は、株主が複数名存在している会社の場合。

ただ、中小零細企業の場合は身内の方がほとんどである状況のため、株主全員の同意があれば、招集手続を省略して定時株主総会を開催することができます。

多くの会社で定時株主総会にすることは、計算書類・前期の事業報告の承認、役員報酬の決定、場合によっては役員の改選などです。

さらに中小零細企業の場合、役員は同一人物がなることが多いため、そこまで揉めることはないかと思います。

いずれにしても定時株主総会は開催しないといけないので、株主が少人数であろうとどこかで行う必要があります。

ただ、このご時世で株主が集まりにくいということもありえます。

その場合は、会社法第319条の方法で行うやり方があります。

ある提案について、議決権を講師することができる株主全員が書面により同意の意思表示をしたときは、株主総会を開くことを要せず、当該提案を可決する株主総会決議があったものとみなすことができます。

取締役から株主に対して提案書を送付し、株主全員から同意書が集まった段階で、総会を開いたことにする制度で、株主が少人数で対立がないときに使える便利な制度。

その場合でも、会社法施行規則に基づき議事録は作成しなければなりません。

書面決議も便利な制度であるため、株主がひとりもしくは身内で少人数の場合には、こちらの方法で定時株主総会の開催も検討してもいいでしょう。

まとめ

株主が少ない会社であれば、招集手続きの省略や書面決議も使えるんですね。

そうですね。株主が少なくて、揉めることがなければ書面決議を今年は活用したほうがいいですね。

今回は
『中小零細企業は書面決議(みなし総会)ができないか?』
に関する内容でした。

あわせて読みたい

定時株主総会に関するブログはこちらも御覧ください

株主総会議事録の作成や押印で注意しなければならないことは? | 司法書士行政書士きりがやブログ(きりログ)

参考書籍

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司法書士・行政書士 桐ケ谷 淳一

鉄道(乗り鉄・撮り鉄両方)と麻婆豆腐・担々麺をこよなく愛する司法書士・行政書士です。
ひとり会社設立、副業・複業、小さな会社の企業法務の分野を得意としています。
1977年1月 東京生まれ東京育ち
2000年 日本大学法学部法律学科卒業
2004年 司法書士試験合格
2005年 行政書士試験合格
2007年 東京都江戸川区葛西駅前にて司法書士事務所・行政書士事務所を開業
2017年 平成27・28年施行改正会社法・商業登記規則、役員変更登記の注意点(株式会社レガシィから)のCD・DVDを出しました。

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