株主総会や取締役会はきちんと開催していますか?
ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
中小企業の経営に役に立つ日本弁護士連合会から公表された「中小企業のためのチェックシートを作成しました」
この中で法務の部分で意外と中小零細企業がしていないことも多々事例で紹介されています。
今回は、株主総会と取締役会の開催について書きます。
株主総会や取締役会はきちんと開催していますか?
株主総会は毎年開催しなければなりません!
事業年度が終了すると、法人の税務申告を2ヶ月にしなければなりません。
貸借対照表や損益計算書など、その事業年度の計算書類は、原則株主総会で承認をして確定してから税務署に提出するのが本来です。
しかし、多くの中小零細企業は税理士が関与しているためか、書類作成したら、そのまま税務署に提出することが多い気がします。
なので、本来は株主総会を開催して承認を得たものを税務署に提出する手順を確認するべきです。
株主総会を開催するには、取締役会で株主総会の議案事項を決定し、株主に招集手続をすることが必要です。
実際に株主が多くても中小企業で招集手続きまでやっている会社がどれだけあるかは分かりませんが、株主の把握が必要になります。
なので、中小企業でも株主の把握と株主名簿の整備が必須といえます。
株主が親族だけとかひとりだけとかという理由で行わないことは許されないのです。
取締役会も行う必要がある
取締役会設置会社であれば、会社規模の大小に関わらず、一定時期に必ず行うことが必要です。
取締役会は会社の業務執行をする上で重要なことを決議するからです。
さらに、原則会議体で行うことが必要で、株主総会のように書面で行いたい場合は、定款に記載が必要です。
機関設計を見直す
取締役会が全く機能していなければ、取締役会自体をなくす、役員も名ばかりの方であれば、取締役の責任が発生するため辞任するなど、これからの会社運営のあり方を見直す時期に来ていると言えます。
どうしても登記に絡む部分もあるので、きちんと会社法もしくは定款の手続にしたがった方法で行う必要が出てきます。
司法書士などの専門家に機関設計の見直しなど相談されることをおすすめします。
実際の規模での会社運営をしたほうが、運営もスムーズに行くはずです。
なので、定款の見直しも含め、株主名簿の整理など着手することをおすすめします。
まとめ
社歴が古いほど、家族経営の場合など、一度定款も含めて、会社が機能しているかどうかを確認することを強くおすすめします。
その際に役に立つのが冒頭に紹介した
「中小企業のためのチェックシートを作成しました」
です。
今回は
『株主総会や取締役会はきちんと開催していますか?[小さな会社の企業法務]』
に関する内容でした。
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名ばかり取締役や監査役はいませんか?機関設計の見直しを![小さな会社の企業法務]
参考書籍
株主総会・取締役会・監査役会の議事録作成ガイドブック〔第2版補訂版〕
三井住友信託銀行証券代行コンサルティング部 商事法務 2019年03月20日
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