代表取締役兼取締役の再任決議 再任されないと代表取締役も自動消滅[小さな会社の企業法務]

代表取締役兼取締役の再任決議 再任されないと代表取締役も自動消滅

東京都江戸川区葛西駅前 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。

はじめに

ある企業で、取締役が任期満了したため、定時株主総会で再任決議したところ、一部取締役の選任が否決された事案がありました。

しかも、再任されるはずの取締役は代表取締役でもあったため、代表取締役も定時株主総会終結をもって資格喪失となります。

自動的に社長交代となるわけですが、株主総会の取締役選任決議とその後の代表取締役選任決議はどうすればいいのでしょうか。

取締役の再任決議 再任されないと代表取締役も自動消滅

取締役の退任事由 任期満了退任

取締役が会社の経営をずっと続けていくと、会社経営に支障をきたすことがあります。

取締役は会社経営のプロであり、業績を伸ばすことや会社の経営をしっかりする役割があります。

そこで、任期を定め、その間に取締役の職務を全うしていれば再任を認めてもいいというのが、取締役の選任決議(再任決議)です。

任期満了は、株主総会で選任され、定款に定められた年数以内の定時株主総会の終結まで取締役の職務を行うことです。
(取締役の任期は公開会社は2年、非公開会社は10年まで伸長可能)

取締役の選任決議の方法は?

取締役の選任決議は、普通決議によります。

株主総会の普通決議は、議決権ある株主の過半数の出席で、その過半数の賛成があれば承認される決議方法です。

普通決議は定款で定足数の排除ができ、大企業では、定足数に関係なく、出席した議決権を有する株主の過半数の賛成で承認することが多いです。

中小零細企業で定足数の排除をしてしまうと、会社経営に多大な影響を及ぼすことになるので、注意してください。

ただ、取締役の選任決議については、普通決議でありながら特殊な形態をとります。

定款で定足数を排除しても、議決権ある株主の3分1の出席がないと、取締役選任決議ができません。

実務では「特殊普通決議」と言われています。

「はじめ」にで書いた企業の場合、定足数要件を満たした上で、過半数の同意が得られなかったため選任されなかったということになります。

選任されなかった取締役は、定時株主総会終結をもって自動的に任期が切れることになります。

代表取締役が選任されなかった場合の後任の代表取締役選任の議事録の注意点

選任されなかった代表取締役兼取締役は、定時株主総会終結をもって任期満了し、代表取締役の地位も自動的に消滅します。

なので、取締役会設置会社や非取締役会設置会社で代表取締役を定款で取締役の互選で定める場合は、取締役会もしくは取締役決議が必要です。

代表取締役を選任した議事録ですが、すでに代表取締役がない状態で会社実印を押印できる者がいない場合、議事録には、出席取締役全員の実印の押印が必要です。

さらに議事録に押印した取締役の実印につき、取締役個人の印鑑証明書の添付が登記申請の際必要となります。

今回の会社の事例はどうなのかわかりませんが、おそらく会社実印を押印できる者がいないので、取締役会議事録には、全員実印を押して印鑑証明書を添付して登記申請手続きを行うと思われます。

まとめ

代表取締役兼取締役が株主総会で任期満了となり、再任されなかった場合、定時株主総会終結をもって任期満了し、代表取締役の地位も自動消滅します。

今回の会社の事例は結構レアなケースだと思われます。

今回は
『代表取締役兼取締役の再任決議 再任されないと代表取締役も自動消滅[小さな会社の企業法務]』
に関する内容でした。

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参考書籍

この記事を書いた人

司法書士・行政書士 桐ケ谷 淳一

司法書士・行政書士 桐ケ谷 淳一

鉄道(乗り鉄・撮り鉄両方)と麻婆豆腐・担々麺をこよなく愛する司法書士・行政書士です。
ひとり会社設立、副業・複業、小さな会社の企業法務の分野を得意としています。
1977年1月 東京生まれ東京育ち
2000年 日本大学法学部法律学科卒業
2004年 司法書士試験合格
2005年 行政書士試験合格
2007年 東京都江戸川区葛西駅前にて司法書士事務所・行政書士事務所を開業
2017年 平成27・28年施行改正会社法・商業登記規則、役員変更登記の注意点(株式会社レガシィから)のCD・DVDを出しました。

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