東京都江戸川区葛西駅前 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
小さな会社の企業法務。
ひとり株主総会の場合は、みなし株主総会、書面決議が適しているということ、家族経営の場合も株主総会のみなし総会もいいということも書きました。
(後述「あわせて読みたい」で該当ブログを是非お読みください!)
ところで、家族経営の取締役会について書面決議は認められているのでしょうか。
取締役会の書面決議と株主総会の書面決議 違いを知らないと・・・
取締役会設置会社の定義を確認!
取締役会設置会社は取締役が3名以上、監査役が原則1名以上必要な会社形態です。
非公開会社の場合、監査役の代わりに会計参与でも構いません。
いずれにしても4名以上いなければ会社としては成り立ちません。
平成18年の会社法施行以前の株式会社は、取締役会と監査役が必須でした。
なので、未だに家族経営の小さな会社でも、取締役会と監査役を置いている会社が多いです。
小さな会社の取締役会の役割は?
株主総会については、会社法もしくは定款に定められたことを決議して、会社の業務執行に関する部分は取締役会で決議します。
株主は株主配当のことしか興味なく、会社の経営についてはプロである取締役に任せる、所有と経営の分離が建前となっています。
しかし、家族経営など小さな会社の企業法務の場合は、家族で株式を多く所有していることがほとんどのため、所有と経営の分離がされていないことがほとんどです。
また、取締役会は3ヶ月に1回は会社法で開催する必要があるところ、ほとんど開いていないのが現状。
代表取締役は会社の業務執行の状況を報告する義務があります。
これを書面で行うことは認められていませんので、注意してください。
監査役は、会計限定監査役の場合がほとんどで取締役会に出席義務はありません。
取締役会の書面決議で気をつけることは?
大きな会社の場合、なかなか取締役が一同に会することが難しいので、テレビ電話会議とか、場合によっては書面決議で行うことがあります。
小さな会社の企業法務の場合、毎日取締役が会することが多いので、書面決議は実情に合わないことがあります。
しかし、会議体でなかなかできない場合は、書面決議ができます。
取締役会の書面決議は会社法第370条で定められています。
書面決議の要件として、以下の3つです。
・定款に取締役会の書面決議に関する規定があること
・取締役全員の同意があること
・監査役(会計限定監査役を除く)から異議がでていないこと
気をつけないといけないことは、株主総会の書面決議の場合、定款で定めがなくてもすることが可能ですが、取締役会の書面決議は定款の定めがないとできないことです。
もし取締役会の書面決議で登記事項があった場合、書面決議に基づく取締役会議事録と定款が登記申請の際の添付書面となります。
ここが株主総会の書面決議との大きな違いです。
まとめ
今回のブログのまとめ
・取締役会の書面決議は3つの要件が揃えば認められている
・取締役会の書面決議は定款に定めがないと行うことはできないし、登記事項が発生した場合は定款も添付書面となる
今回は
『取締役会の書面決議と株主総会の書面決議 違いを知らないと・・・ 小さな会社の企業法務』
に関する内容でした。
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