東京都江戸川区葛西駅前 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
今までは「ひとり株式会社」での設立や設立後の注意点について触れていきました。
もしかしたら、読者の中に「共同で会社を設立して運営していきたい」という方もいるでしょう。
共同で会社を設立する際に注意しなければならないところはどこか、まとめてみました。
共同で株式会社を設立する際の注意点は?
どのような形態の株式会社にするのかを共同者との間できちんと決める
複数人で会社を設立する場合、まず、どのような形態の会社にするのかを検討する必要があります。
- 出資金も同額で、お互い取締役になって経営していくパターン
- 出資だけして、会社経営には関与しないパターン
- 出資はせず、取締役だけになるパターン
- 共同で出資し経営をするが、主従関係を設けるパターン
共同で会社を設立したり、設立後の会社運営をどうするかで大きく分けてこの4つに集約されます。
複数人で会社を設立する際に、意外とどういう方針で会社を設立し、設立後どうしたいのか曖昧なままにして会社を設立している方が多いように感じます。
なので、会社設立後にお互いの意見が食い違い、バラバラになるということがあるのです。
会社を設立した以上、社会に貢献すべきなのに、その目的を達成できていないのです。
私が今まで会社設立業務に関与した中で、共同経営でやっていく方の多くが設立後何らかの理由で共同経営を解消して行くことが多いです。
株式会社設立段階でじっくり会社経営方針を確立することが大事
友達同士だから、夫婦だから会社経営も大丈夫と安易に決めている方が多いです。
しかし、ビジネスの世界では仲良しだからうまくいくことは稀だと思ってください。
それほどビジネスの世界は厳しいのです。
まず、会社設立にあたり、企業理念を策定してお互いの方向性を確認しておく、これが重要になります。
その段階で方向性が合わなければ、ビジネスを単独でするとか、出資しないとかできるので、かえって面倒なことにはなりません。
もしかしたら、企業理念契約書みたいなものを掲げて、お互いこれに基づいて経営しますとアピールできれば、周りの方が共感してくれるかもしれません。
株式会社設立時に株式の持分割合にも配慮する
共同経営していく上で大事なのは出資割合について。
持分割合を何も考えないで会社設立すると、株主総会を開けなくなるリスクがあります。
例えばお互い半分ずつ株式を所有している場合、大事なことを決議したいのに、一方株主が反対し、何も決められないということもあります。
株主総会の特別決議は議決権の過半数の出席が要件だからです。
万が一に備えて株主間契約を締結し、株式の取扱なども考えておくべきでしょう。
まとめ
共同で会社を設立する場合、ひとりで会社を設立するよりもじっくり話し合って決めないとたちまちデッドロック状態になります。
会社設立は簡単にできますが、その前にしなければならないことが共同経営したい場合は多いことを理解してください。
今回は
『小さな会社の企業法務 共同で株式会社を設立する際の注意点は?』
に関する内容でした。
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