東京都江戸川区葛西駅前 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
これから複業化が進み、ひとり会社を設立することが多くなるでしょう。
もしあなたが会社を設立したあと不測の事態が生じた場合会社はどうなるのでしょうか?
ひとり会社の「事業承継」問題です。
株式会社・合同会社に分けて考えてみましょう。
小さな会社の企業法務 株主が1名、社員が1名の株式会社・合同会社の継ぎ方は?
ひとり会社の定義を確認!
そもそも会社は社団なので、一人でもできるのかという問題があります。
会社法では株主と取締役が1名のいわゆるひとり株式会社の形態を認めています。
合同会社についても社員が1名の形態を認めています。
合同会社は社員が誰もいなくなると解散事由に該当します。
合同会社の場合、その規定がひとり合同会社の承継の際に影響してきます。
株式会社でひとり株主・取締役が亡くなった場合
ひとり会社の株主が亡くなった場合、その相続人が株主となります。
なので、相続人全員で株主総会を開催して、後任の取締役を選任すれば、一応会社を継続できます。
問題は、遺言や遺産分割協議で株式を誰に帰属させるか決まらない限りは、相続人全員で株式を相続分割合に応じて共有するということ。
相続人で株式を分割できるとはなっていないので注意してください。
あと、相続放棄前に相続人が議決権を行使してしまうと、単純承認したことになり、相続放棄ができなくなりますのであわせて注意してください。
合同会社でひとり社員が亡くなった場合
こちらは社員が亡くなったからといって、相続人が当然に社員の地位を引き継ぐわけではありません。
合同会社は人的会社であり、その人の個性を重視しているからです。
なので、原則は、合同会社の社員が亡くなると、社員が誰もいない状態となり、解散事由に該当します。
それを避けるために、定款に社員の持分を相続させる旨を記載しておきます。
そうすれば、会社は一応継続させることができます。
実は法務省のひな形定款には、社員の承継に関する規定がありません。
なので、もしひとり合同会社で社員の承継の規定がなければ、速やかに定款の規定に盛り込みましょう。
まとめ
ひとり会社の場合、株式会社と合同会社で手続きが異なりますので注意してください。
特に合同会社の経営者の皆様、もう一度自分の会社の定款を御覧ください。
今回は
『小さな会社の企業法務 事業承継 株主が1名、社員が1名の株式会社・合同会社の継ぎ方は?』
に関する内容でした。
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特例有限会社の役員変更はややこしい問題がでています。こちらのブログも御覧ください。
参考書籍
5つの定款モデルで自由自在 「合同会社」設立・運営のすべて
神﨑 満治郎 中央経済社 2014-08-26
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知識ゼロからの会社の継ぎ方・事業承継入門
真部 敏巳,河合 保弘 幻冬舎 2015-08-27
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