東京都江戸川区葛西駅前 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
株式会社を設立するとき、1株あたりの金額はいくらに設定すべきですか?
資本金の額は決められても、1株あたりいくらにするかは悩ましいところですよね。
今回は会社設立時における1株あたりの金額について書きます。
株式会社設立時の1株あたりの金額をいくらにするか?
1株あたりの金額は法律で決まっているのか?
1株あたりの金額について、昔は額面株式というのがあり、1株5万円でした。
額面株式の制度が廃止され、それなりの期間が経ちます。
しかし、会社設立の業務をしていると、1株5万円の名残が残っています。
最近は会社設立時に際して1株あたりの金額を1万円と分かりやすくしているところもあります。
なので、会社の状況に合わせて1株あたりの金額は決めるといいでしょう。
1株あたりの金額を設定する際の注意点は?
先程も書きましたが、1株あたりの金額は自由に決めることができます。
しかし、注意しなければならないことが。
それは1株あたりの金額を多すぎる、例えば資本金の額が100万円で、1株あたりの金額を100万円すると、1株しか発行できません。
細分化できないため、相続が発生したときに株式を分けられないなどトラブルになります。
一方、1株あたりの金額を1円なんかにすると100万株発行することになり、こちらは細分化しすぎで管理が難しくなります。
以上のことを考えると、会社設立時の1株あたりの金額は1万ないしは5万円が妥当でしょう。
1株あたりの金額は会社設立後変動する!
会社設立後1株あたりの金額が全く変わらないと思っている経営者も多いです。
しかし、会社は絶えず動いているもの。
決算期になると、会社の純資産額も分かり、それに伴い1株あたりの金額も変動してきます。
なので、会社の業績が高ければ1株あたりの価格は高くなりますし、業績が低ければ1株あたりの金額が低くなります。
なぜ、1株あたりの金額を気にする必要があるかというと、募集株式発行の際に、1株あたりの金額を設立当初の価額ですると、税務上まずいこともあります。
あと、株式譲渡のときも1株あたりの金額を意識しないと税務で引っかかることがあります。
あと、相続の時に1株あたりの金額が高いと相続財産も高くなり、相続税の対象になる可能性もあります。
なので、会社設立後は1株あたりの金額を意識する必要が出てくるのです。
まとめ
会社設立時の1株あたりの金額は1万円ないしは5万円で会社が管理しやすい金額にするのがいいです。
会社設立後は決算期ごとに1株あたりの金額を意識することも重要です。
今回は
『ひとり会社の設立 株式会社設立時に1株あたりの金額をどのくらいにするか?』
に関する内容でした。
あわせて読みたい
会社設立時の発行可能株式総数と発行済株式総数についてはこちらを御覧ください。
参考書籍
商業登記ハンドブック〔第3版〕
松井 信憲 商事法務 2015-05-20
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