東京都江戸川区葛西駅前 会社設立などの企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
12月以降に株式会社を設立したい起業家のあなた!
平成30年11月30日から定款認証の方法が変わります。
株主や役員がひとりの、いわゆるひとり株主会社でも対象となります。
何が変わるのか?
今回はひとり株式会社の会社設立に焦点をあてて、定款認証で何が変わるのかを解説していきます。
平成30年11月30日から定款認証が変わります!
定款認証、何が変わるのか?
ひとり株式会社の場合、どのように定款認証する必要があるかを書く前に、何が変わるのかを解説します。
定款認証で何が変わるのかというと、定款認証の嘱託人は、法人成立時に実質的支配者となるべき人について、その氏名、住居、生年月日、その者が暴力団員等に該当するか否かを公証人に申告しなければならなくなります。
公証人に申告がされると、公証人で嘱託人もしくは実質的支配者が暴力団等に該当するか調べ、問題あるようであれば嘱託人や実質的支配者に説明を求めることになります。
結局のところ、暴力団員等に該当すると定款認証ができないこととなり、株式会社設立自体ができなくなります。
なぜ公証人の申告制度が採用されるのか
なぜ、今頃の次期に実質的支配者に関する公証人の申告制度が採用されるのか。
実は背景には国際的な動きがあることを認識していただけるといいでしょう。
国際的には悪い人たちにいかに資金調達させないかを考えています。
日本でも国際的な流れから今回の定款認証時の公証人の申告制度が採用される事となったのです。
まず、誰が法人の実質的支配者なのかを知ることで法人の透明性を図ることができます。
そして暴力団員等による法人の不正使用、マネーロンダリングやテロ資金供与等を抑止することを目的とします。
一番大きいことは悪い人たちに法人を使わせない、お金の流れを断ち切らせることが主目的で、これを会社設立段階で未然に防ぎたい思惑が今回の制度の趣旨です。
ひとり株式会社の場合定款認証時にどうすればいいか
株式会社の定款認証時に、実質的支配者となるべき者の申告書を提出する必要があります。
これは、定款認証前の段階、例えば公証人に定款をチェックしてもらったりする前にでも提出可能です。
ひとり株式会社の場合、定款に実質的支配者となるべき者のことが書かれているのと、定款認証時に印鑑証明書を添付するので、根拠資料は基本はいらないと言われています。
一方、嘱託人については、定款認証を紙申請で行うか電子認証で行うかで異なります。
紙申請の場合は発起人が嘱託人となり、電子認証の場合は、司法書士が電子認証をする場合は司法書士となります。
つまり、紙申請であれば、ひとり株式会社の場合、嘱託人と実質的支配者がおなじになるのでさほど問題ありません。
電子認証の場合は司法書士となり、司法書士も公証人に問題ないかを申告しなければならないと法律上なっています。
実質的支配者とは何か?
今回の公証人法施行規則の改正点のキーワードは「実質的支配者」
実質的支配者となるべき者の根拠事由として4つあります。
今回はひとり株式会社の場合の「実質的支配者」を書きます。
ひとり株式会社設立については、
設立する貸家の議決権の総数が50%を超える議決権を直接又は間接に有する自然人となるべき者
に該当するので、その者について問題ないことを公証人に申告すれば足ります。
ひとり会社なので、事業経営を実質的に支配する意思又は能力がないということはありえません。
(そうだとすると法人は作れませんので・・・)
ひとり株式会社の発起人が自然人であれば問題ないですが、法人の場合だとちょっと問題が出てきます。
これはまたの機会に書きます。
まとめ
定款認証の制度が11月30日から変わるということをまずはこれから起業される方は覚えておいて下さい。
そして実質的支配者となるべき者の特定事項を公証人に申告する必要があることも理解して下さい。
平たく書くと、現行の定款認証手続きに一手間はいるイメージです。
ひとり株式会社を設立する際にも適用を受けることもお忘れなく。
今回は
『ひとり株式会社の会社設立 定款認証の制度が変わります!平成30年11月30日から!』
に関する内容でした。
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参考書籍
会社法定款事例集
田村 洋三 日本加除出版 2015-07-01
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