東京都江戸川区 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 資格試験アドバイザー 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
フリーランス・副業の法人化。
副業を解禁している企業が増え、さらに「副業の300万円雑所得」問題で、法人化がますます注目されています。
とはいっても、登記申請の設立費用は高くない?
設立ってハードルが高い!
そのように思っているあなたのために、オススメの法人形態がありますので紹介します。
お金をかけずに起業したい方におススメ!合同会社
最近はフリーランスやサラリーマンの副業がより注目されるようになりました。
私が所属している勉強会でも、サラリーマンの方が多くいて、副業に興味をもたれているかたも結構います。
最近は、サラリーマンを退職した方や、主婦の方の起業が目立っています。
最初は個人事業主で始めていたが、事業が軌道に乗りだし、法人化したほうがメリットがある。
でも、会社設立にお金はかけられない。会社の規模もそこまで大きくする予定もない。
そういうあなた、お薦めな法人形態があります。
それが「合同会社」です。
合同会社は昔の有限会社と同じイメージ
ここでざっくりと「合同会社」ができた歴史を紹介します。
合同会社ができる前までは、似たような法人形態で「有限会社」がありました。
有限会社は平成18年4月末まで設立することができ、株式会社の小型版で、資本金が300万円以上で設立できました。
今は株式会社に統合されて有限会社がなくなりました。
しかし、会社法になって新しい形態が「合同会社」です。
合同会社は法律上人的会社で「人」に個性を持たせた会社形態で「人的会社」といわれています。
ただ、会社に出資した額だけ責任を負い、それ以外は責任を負いません。いわゆる有限責任社員のみの形態が合同会社です。
有限会社は株式会社と同じ物的会社でしたが、有限責任で、株式会社と比べ「人」の個性に注目されていました。
それを考えると、法律上の分類は異なるにしても、一般の方は合同会社と有限会社と同一イメージを持ってもいいです。
合同会社はなぜスモールビジネスにいいのか?
株式会社と比べて、なぜ合同会社がスモールビジネスにいいのか、メリットを含めて紹介します。
- 公証人の定款認証が要らない
- 設立の登録免許税が6万円からで可能
- 意思決定を迅速に行うことができる
- 役員の任期がないから、コストがかからない
- 決算公告が要らない
当然会社形態なので、コンプライアンスは要求されます。
ただ、設立費用を含め会社経営にあたり、コストを安く抑えられるのは魅力ではないでしょうか?
なおさら、ひとり経営、スモールビジネスであれば「合同会社」ほど魅力的な形態はありません。
別に融資を受ける予定もなく、法人格をただ取得しさえすればいいという方には最適な会社形態、
それが合同会社です。
私は、フリーランスの一人法人や副業の法人化で「合同会社」をすすめています。
合同会社設立後も株式会社にできる
当初はスモールビジネスでスタートしたため合同会社で設立しました。
しかし、スモールビジネスを脱却して規模が大きくなったので、株式会社にしたいという場合もあるでしょう。
その場合は、合同会社から株式会社に組織変更することもできます。
つまり、今まで培ってきたものをそのまま株式会社にもっていけます。
なので、最初はスモールビジネスでいいという方は「合同会社」の選択も視野に入れるべきでしょう。
合同会社は定款が命
合同会社設立時に注意していただきたいのは、定款。
合同会社の場合、定款の自由度が株式会社よりも広いです。
なので、定款の記載次第で、経営にも影響が出てきます。
何が何でも法務省の定款の雛形をそのまま利用するのではなく、定款事例集などの書籍を用いて、自分の会社の身の丈にあった定款内容にしていく必要があります。
定款に定めないと効力が生じない条項が結構あります。
私見ですが、自分ひとりで合同会社を作らないで、きちんと合同会社のことを熟知した専門家に聞きながら合同会社の設立準備をしたほうがいいです。
ただ、注意していただきたいことがあります。
合同会社設立費用が極端に安い事務所の場合、その後の顧問料等で費用がかかってしまいます。
そのような事務所は、定款はひな型をそのまま使い、会社設立については必要事項を書かせておしまい。
会社設立は単なるサービスとしか考えてなく、その後の顧問料さえ取れればいいという考えなので、おススメしません。
むしろ、会社設立の準備段階で、事業計画などきちんと考えないといけません。
そのことを頭に入れて、合同会社を設立したい方は準備を進めましょう。
まとめ(今日の気づき)
ひとりスモールビジネスを始めたい方(フリーランスや副業の法人化)、でも費用はかけたくない場合は「合同会社」が適切。
合同会社は定款が命。是非司法書士などの専門家を介して進めていくことがオススメ。
今回は
『合同会社のメリットを改めて考える フリーランス・副業の法人化でオススメの理由とは?江戸川区の司法書士・行政書士が解説』
に関する内容でした。
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