東京都江戸川区葛西駅前
会社設立などの企業法務・相続専門
司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一です。
目次
はじめに
私が会社設立で依頼を受ける場合の多くは個人事業主から法人化するケース。
株式会社にしても合同会社にしても定款が一番大事です。
それはひとりで会社を設立する場合であっても変わりません。
会社設立 株式会社・合同会社のひとり会社の定款をどうするか?
ひとり会社で法人化 株式会社にするか合同会社にするか・・・
ひとりで会社を作る時に聞かれることがあります。
「株式会社にすればいいのか、合同会社にすればいいのか・・・」
確かに悩ましい問題です。
以下の基準で判断してみてはいかがでしょうか。
- 将来あなたの会社の規模をどうしたいのか
- あなたの会社、どんなビジョンをもっているのか
- あなたのやりたい事業と現状の規模はどのくらいか
- どんな相手と取引する予定があるのか
こじんまりした事業、スモールビジネスで展開するのであれば、無理して株式会社にしなくても合同会社が向いています。
合同会社は、設立時の登録免許税や公証人の認証費用がかからず、設立後の運営コストも株式会社と比べ安いです。
一方、事業を大きくして、人も雇いたい、さらに大手企業と取引する予定があり信用を高めたいというのであれば、初めから株式会社にすべきです。
合同会社と比べ、設立費用がかかりますが、信用面で合同会社より株式会社のほうが高いです。
ひとりで会社を設立する場合、将来の事業規模や内容を見据えて株式会社か合同会社を決めるといいでしょう。
ひとり会社の定款をどういう内容にしていくのか?
株式会社の場合、最低でも株主総会と取締役を置かないといけません。
あわせて、株式の譲渡制限を設ける必要があります。
上記事項と定款に必ず記載しなければならない事項を組み合わせて株式会社の定款を作成します。
合同会社の場合も、定款の必要事項を記載した上で定款を作ります。
ここで問題になるのは、必要最低限のことしか定款に盛り込まないか、あるいは、ある程度の規定も盛り込んで定款を作成するかということ。
私は会社法の条文を経営者は見るとは限らないので、ある程度これをみれば会社運営の法務上のことは分かる内容の定款にする必要があるのではと思っています。
最低限のことしか盛り込まないという考え方もありますが、全て盛り込んでおくことで、会社運営もしやすくなり便利です。
なお、株式会社も合同会社も、会社設立後に何らかの事情で定款変更をした場合は、再度、定款を全文新しいものにしたほうがいいでしょう。
昔の定款のままだと、定款の条項を変えたことに気づかず会社を運営することになり、場合によっては定款違反になることをしてしまうからです。
代表的なのは株式会社の役員変更。
任期を短縮する定款変更決議をしたにもかかわらず、定款そのものはかえていないと、任期を経過した後に役員変更をするリスクがあり、選任懈怠、登記懈怠で過料が発生するリスクがあります。
まとめ
ひとりで会社を設立する場合、会社の定款をどうするのか、その前に会社設立の際、将来を見据えて考える必要があります。
その上で、定款をどうするのかを考えることがひとり会社を作る上で大事です。
今回は
『会社設立 株式会社・合同会社のひとり会社の定款をどうするか?』
に関する内容でした。
参考書籍
合同会社のモデル定款―利用目的別8類型―
江頭 憲治郎 商事法務 2016-05-25
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会社法定款事例集―定款の作成及び認証、定款変更の実務詳解
田村 洋三 日本加除出版 2015-08-01
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