東京都江戸川区葛西駅前
会社設立などの企業法務・相続専門
司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一です。
目次
はじめに
日本は会社設立登記の完了が諸外国と比べて遅い。
それをなんとか是正したい、ということで、国で会社設立登記を優先して完了させる動きがあります。
2018年3月12日から会社設立登記につき、通常より登記の完了が早く終る制度が始まるので、紹介します。
2018年3月12日から会社設立登記の完了が早くなります!
なぜ会社設立登記を早くするのか?
国が「世界最先端IT国家創造宣言」をしました。
その宣言を踏まえて定められたのが、「登記・法人設立等関係手続の簡素化・迅速化に向けたアクションプラン」です。
このプランに基づき、会社設立登記を他の商業登記より優先的に処理する取り組みがされることとなりました。
優先的に処理される手続を「会社の設立登記のファストトラック化」といいます。
会社設立登記のファストトラック化の中身は?
まず、対象となる設立登記ですが、株式会社・合同会社です。
一般社団法人はどうやら含まれていません。
設立登記には通常の設立登記のほか、新設合併、新設分割、株式移転も含みます。
そして、会社の設立登記は他の登記と比べ優先的に処理され、原則3日以内に設立登記完了。
起算点は、書面申請による場合は、申請の受付日の翌日からカウント。
オンライン申請の場合は、添付書面の全部が登記所に到達した日の翌日からカウントします。
一般的に商業登記は、登記申請をしてからおよそ1週間後に登記が完了します。
今回「会社設立登記のファストトラック化」で設立登記はさらに登記完了が早まります。
ただ、商業登記が集中して申請される4月や6月、7月などは、3日以内に設立登記が完了するのは厳しくなるかもしれません。
それでも法務局では、繁忙期でも3日以内に会社設立登記を優先して終わらせる努力をするようです。
ところでなぜ、4月や6月、7月に商業登記が集中するかわかりますか?
4月は年度始めで、会社設立を始め合併や会社分割など、年度初頭から始めたい会社が多いため、登記が集中します。
6月、7月は、決算期と重なるため、役員変更登記を始め、定款変更に伴う登記申請が多くなります。
もし、会社設立登記を3日以内で終わらせたいのであれば、この時期を避けて決算期を定めるのもひとつの方法です。
今後の会社設立登記の迅速化の流れはどうなるか?
今後は、株式会社の定款認証のあり方、会社の印鑑の提出の廃止など、より設立登記の簡素化に進んでいく予定です。
設立登記が簡素化することは喜ばしいこと。
ただ、会社設立登記の迅速化に関するデメリットはあまり議論されていません。
セキュリティーの問題や、犯罪の温床化など議論をもっと深めないといけない部分もあります。
まとめ
「会社設立登記のファストトラック化」で、設立登記までの完了がより早くなります。
より早くなることで、銀行口座開設や事務所の入居などもより早く進むでしょう。
そして、会社の運営もより機動的になるといえるでしょう。
今後は会社設立登記自体の簡素化に注目します。
今回は
『2018年3月12日から会社設立登記の完了が早くなります!』
に関する内容でした。
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商業登記ハンドブック〔第3版〕
松井 信憲 商事法務 2015-05-20
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