東京都江戸川区葛西駅前
会社設立などの企業法務・相続専門
司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一です。
目次
はじめに
これからの日本は後期高齢化がどんどん
進んでいきます。
認知症の方も増え、「成年後見制度」を
活用せざるを得ない方もいるでしょう。
しかし、成年後見制度をめぐり、最近
様々な問題がおきています。
今回は、成年後見制度の弱点と
最近話題の成年後見支援信託について
書きます。
成年後見制度 制度の欠点と成年後見支援信託の弱点
成年後見制度の取り巻く問題点
成年後見制度が導入されたのは平成14年。
その頃は
「自己決定権の尊重」
「残存能力の活用」
「ノーマライゼーション」
という理想のもと、本人を主体に成年後見
制度が活用されていくはずでした。
しかし、親族後見人が被後見人の財産を
使い込み、後見人が専門職になったのは
いいが、その専門職も使い込みが問題に
なってきました。
いつの間にか成年後見制度は
財産の使い込みをふせぐことばかり
に目が行きがちになってしまいました。
さらに家庭裁判所の人員も少なく、
民法では家庭裁判所の監督下にありながら
きちんと家庭裁判所が成年後見制度について
機能していないという問題もおきています。
昨今では新聞で成年後見制度の問題点を
指摘している記事も出てきています。
本当は成年後見制度もいい面がありながら
悪い面ばかり紹介されているので、
成年後見制度自体を活用したいというから
も躊躇している状況。
あとは、社会福祉協議会が勝手に後見
申し立てして、親族と争いになり裁判沙汰
になったという事案もあります。
正直、成年後見制度の見直しが必須に
なりつつあるといえます。
本来の成年被後見人の残存能力の活用より
成年後見被後見人の財産に重きがいって
いるのは制度に反していると思います。
成年後見支援信託 家庭裁判所の財産管理の放棄?
最近、一定の財産がある場合、信託銀行に
財産を信託させ、必要最低限の財産のみを
後見人が管理する「成年後見支援信託」を
家庭裁判所が推奨しています。
余計な財産を持たせないことで後見人の
使い込みを防ぐことが出来るので一見
良さそうな制度に見えます。
しかし、本来自由に使える財産を凍結して
しまい、いざ使いたい時に家庭裁判所の
許可が必要だという一見おかしな制度が
「成年後見支援信託」です。
つまり、成年後見制度が家庭裁判所の
管理下にありながら、自分の職務を放棄
していることでもあります。
実は、家庭裁判所から選任された後見人が
使い込みをし、選任した家庭裁判所の責任
を追及する裁判が起きたことを聞いたこと
があります。
家庭裁判所は自分たちの責任にされるのが
嫌だから、責任逃れのためにこのような
制度を考えたのだと思います。
成年後見制度利用促進法で少しは改善が
みられそうですが、どうなるかは未知数です。
まとめ
最近民法改正が話題になりつつあります。
成年後見制度についても成年後見利用促進法が
制定され、様々な動きがあるようです。
しかし、成年後見制度そのものを改正
しないといつまでたっても問題は解決
しないと思います。
これから超高齢化社会になる中で、
成年後見制度の見直しを強く願いたい
ところです。
今回は
『成年後見制度 昨今の制度の問題点と
成年後見支援信託の弱点』
に関する内容でした。
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参考書籍
この本の一部を参考にし、今回のブログを
書きました。
家族信託活用マニュアル
河合 保弘 日本法令 2015-12-10
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