会社設立 中小企業の定款の条項は選択肢がたくさん?

東京都江戸川区葛西駅前
会社設立などの企業法務・相続専門
司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一です。


はじめに

最近、会社設立の依頼が増えています。
多くは株式会社で、発起人1名で取締役が
1名だけのこじんまりな会社が多いです。


たまに、取締役や発起人が多いことも
ありますが・・・


最近、会社設立手続を簡素化しようとする
動きの中に、定款の雛形をそのまま使えば
会社設立手続を楽にするという動きが
あるようです。


定款は会社にとって大事なもの。
雛形定款では会社経営に対応できないこと
が多いのです。


雛形定款を使えば会社手続が楽になると
する方針には反対です。


会社設立 中小企業の定款の条項は選択肢がたくさん?


中小企業は議決権次第で争いが起こる?

多くの会社では会社設立時に発起人と
取締役が1名の場合が多いので争いは
そんなにありません。


ただ、会社設立段階から発起人が複数や
あとから出資して株主になった人がいる
場合は要注意。


議決権について、定款の雛形通りに
普通決議の定足数を緩和すると
どうなるか?
実は少数株主にとって有利なことになり、
対立が表面化してしまいます。


例えば、株主2名いて、株式取得割合が
6割と4割だったとしましょう。
その場合に株主総会で4割の株主が出席し、
普通決議で賛成が得られれば、決議は
成立します。
(後日、招集手続で争いになる可能性は
十分にありますが・・・)


さらに特別決議の定足数を過半数から
3分の1に軽減するとなおさら上記の例で
問題になってきます。

中小企業の経営者はとにかく会社設立して
経営を早く始めたいので、定款の中身までは
意識していません。

ただ、そのことに気づかずに経営が行き詰まる
そのようなリスクが存在するのです。


株主総会決議 取締役の選任だけでなく解任も・・・

旧商法時代の頭でいるとまずいのは
取締役の解任決議。


取締の解任決議は選任決議と同じ
株主総会の普通決議で行われるのは
ご存知でしたか?


株主総会での定足数は定款に別段の定めが
なければ、議決権を有する株主の議決権の
3分の1以上は必要ですが、出席した
当該議決権の過半数の賛成があれば、
取締役の解任を行われてしまうのです。
特別決議ではないのです。


解任決議が普通決議で行われるとなると
経営者も少数株主も使いようによっては
議決権を行使して、反対派を排除すること
もできます。


そうなると紛争に巻き込まれ、会社経営
もうまく行かず周りにも迷惑がかかります。


定款は会社の実情にあわせて決めるべき

中小企業の定款はとにかく会社の規模に
あわせて自由に選べるのが魅力。


なので、会社として将来どうしたいのか、
どのくらいの規模なのかを考えて作成
することが大事です。


株式会社だけでなく、合同会社の場合も
定款次第で会社の運営が変わってきます。
自由に定款の条項を選べる分、
しっかり見極めないと、知らずに定款違反の
ことをやっていることになりかねません。

まとめ

他の国が会社設立が簡単にできるから
といって、日本がそれを真似るのは
あまりにも短絡すぎます。


ただでさえ会社を設立してもすぐに
休眠会社化してしまうのであれば
無意味ですし。
最近は、会社を乗っ取り、犯罪に
悪用されるケースも。


私は会社設立はある程度規制を
かけながら、手続に則り行ったほうが
いいと考えています。


最後は定款の話からズレてしまいましたが。


今回は
『会社設立 中小企業の定款の条項は
選択肢がたくさん?』

に関する内容でした。


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司法書士・行政書士 桐ケ谷 淳一

鉄道(乗り鉄・撮り鉄両方)と麻婆豆腐・担々麺をこよなく愛する司法書士・行政書士です。
ひとり会社設立、副業・複業、小さな会社の企業法務の分野を得意としています。
1977年1月 東京生まれ東京育ち
2000年 日本大学法学部法律学科卒業
2004年 司法書士試験合格
2005年 行政書士試験合格
2007年 東京都江戸川区葛西駅前にて司法書士事務所・行政書士事務所を開業
2017年 平成27・28年施行改正会社法・商業登記規則、役員変更登記の注意点(株式会社レガシィから)のCD・DVDを出しました。

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