東京都江戸川区葛西駅前
会社設立などの企業法務・相続専門
司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一です。
目次
はじめに
最近、株式会社を設立する際、ビジネス仲間や家族で資金を出し合うことが多いです。
さて、その際に気をつけないといけないのは、各発起人に割り当てる株式数と議決権の関係です。
意外と株主総会の議決権の定足数について考えていないケースが多いです。
株式会社設立 発起人の数で株主総会の議決権の定足数を考える
設立時の株式数はどのように割り当てるか?
会社設立の際に、株式は出資した人に割り当てられるのが原則で、これを発起設立とよびます。
発起人に割り当てる株式は発行価格等は均等である必要があります。
なので、出資額に応じて割り当てる株式数も変わってきます。
株主総会の議決権の定足数を考える
株主総会の普通決議や特別決議の要件は会社法で定めてあります。
しかし、定款の規定により定足数を加減することが可能になります。
まず普通決議ですが、定足数を排除することも可能です。
ただし、取締役等の役員の選任については、定足数を議決権を行使することのできる株式の数の3分の1以上が必要です。
特別決議の場合は、定足数を3分の1まで軽減することができます。
これらを設けている趣旨は株主が多い場合、定足数が揃わないと株主総会すら開催できなくなるため、要件を緩和する必要があるからとなっています。
なので、中小零細企業が大企業の真似をして定足数を排除するのはリスクがあります。
議決権割合をどうするか、きちんと考える
発起人が複数いる場合、もしくは最初は発起人ひとりだが、将来株主を増やす場合、株主総会の議決権の定足数は配慮する必要があります。
特に、設立当初から共同で会社を設立する際は議決権割合に要注意です。
まさか、何も考えないで、定款の雛形をそのまま利用していないですよね。
もし、何らかの事情で共同形態を解消した場合、議決権割合と議決権に関する定款の規定次第では、たちまち会社の運営ができなくなるリスクがあります。
それも知らずに株主総会を開催すると、後日株主総会決議取消しの対象となります。
あとあと株主から数年前の株主総会、定款の規定に基づいて行われていないと追及されると、会社の経営はたちまちアウトです。
発起人同士で株主感契約を締結したり、もし経営で意見相違が出たときの株式譲渡など会社設立前にしっかりしておく必要があります。
そもそも、企業理念をしっかり考えていないで会社設立をしているケースも散見されます。
同じ方向に向かって社会のために貢献する企業にするのであれば、設立段階でしっかり話し合いをしておくことが大事です。
まとめ
私は共同でビジネスを展開する場合、じっくり考え、話し合いをしてから会社設立の準備をしてください。
あと、議決権割合をどのくらいにするかで定款に規定する株主総会の議決権の定足数も変わりますので、注意してください。
今回は
『株式会社設立 発起人の数で株主総会の議決権の定足数を考える』
に関する内容でした。
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最初はひとり会社でその後取締役を増やした。でも意見の相違で解消したい。
その場合、様々な問題が出てきます。詳しくはこちらのブログを御覧ください。
参考書籍
会社法
田中 亘 東京大学出版会 2016-09-29
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株式会社法 第7版
江頭 憲治郎 有斐閣 2017-11-11
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