こんにちは、東京都江戸川区船堀に事務所を構える「相続」に特化した事務所、司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirijunshoshi)です。
目次
はじめに
相続手続きについての相談の中で、「相続人の中に認知症の人がいる場合、遺産分割協議書に自署と印鑑証明書があれば問題ないですよね?」 という質問を受けることがあります。
しかし、これは 大きな間違いです!
実は、認知症の方が相続人にいる場合、通常の遺産分割協議は成立しません。
そのまま進めようとすると、手続きが無効になったり、後から問題が発生したりする可能性があります。
では、認知症の相続人がいると相続手続きはどうなるのか?どんな問題が起こるのか?
司法書士の視点から、分かりやすく解説します。
1. 遺産分割協議とは?認知症の人でもできる?
遺産分割協議とは、相続人全員が話し合い、「誰がどの財産を相続するのか」 を決める手続きです。
そして、遺産分割協議を成立させるためには、相続人全員が「有効な意思表示」をする必要があります。
認知症の人でも遺産分割協議に参加できる?
認知症の進行度によりますが、認知症が進んで判断能力が不十分な場合、遺産分割協議に参加することはできません。
- 認知症の人が遺産分割協議書に署名・押印しても無効になる可能性がある!
- 後から「判断能力がなかった」と争われるリスクがある!
つまり、単に印鑑証明書を用意すればOK というわけではないのです。
では、認知症の方が相続人にいる場合、どうすればいいのでしょうか?
2. 認知症の相続人がいる場合の解決策
認知症の相続人がいる場合、2つの方法で対処できます。
成年後見制度を利用する(一般的な方法)
成年後見制度を使うことで、認知症の方の代わりに「成年後見人」が遺産分割協議に参加 することができます。
成年後見制度とは?
- 家庭裁判所が後見人を選び、認知症の方をサポートする制度
- 後見人が本人に代わって財産管理を行う
- 遺産分割協議に参加できるようになる
成年後見人を選ぶ流れ
- 家庭裁判所に申し立てる(申し立て人は家族など)
- 裁判所が審査し、後見人を選任
- 成年後見人が認知症の方に代わって手続きを進める
注意点
- 時間がかかる(申し立てから選任まで数か月)
- 費用がかかる(後見人報酬が発生する可能性)
- 後見人の権限は裁判所の監督下にある
「手間も費用もかかるから、成年後見制度は使いたくない…」という方もいますが、認知症の相続人がいる場合は 成年後見制度を使わないと、基本的に遺産分割協議ができません。
3. 認知症の相続人がいる場合のNG行動
認知症の方がいるのに、以下のような行動を取ると、後から大きなトラブルに発展する可能性があります。
❌️認知症の方に無理やり遺産分割協議書に署名・押印させる→ 「無効」となり、再手続きが必要に!
❌️認知症の方を除外して話を進める→ 法律上、相続人全員の同意が必要!
❌️成年後見制度を使わず、代理で署名する→ 代理権がないと違法行為になる可能性!
こうした行動を避け、適切な手続きを踏むことが重要です。
まとめ:認知症の相続人がいる場合は、専門家に相談を!
遺産分割協議には「判断能力」が必要
認知症の方がいる場合、そのまま手続きすると無効になる可能性がある
成年後見制度または遺産分割調停を利用する必要がある!
認知症の相続人がいる場合は、自己判断で進めず、司法書士や専門家に相談することが大切 です。
「どうしたらいいかわからない…」と思ったら、お気軽にご相談ください!
司法書士・行政書士きりがや事務所
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