こんにちは、東京都江戸川区船堀に事務所を構える司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
以前、「初めての相続手続き: 遺産分割協議で揉める場面と対処法」について書きました。
相続問題、特に遺産分割協議がまとまらない状況は、相続人にとって大きな精神的・経済的負担となります。
認知症の方や未成年者、行方不明の相続人がいる場合は、さらに複雑になります。
今回は、そのような困難な状況に直面している方々のために、具体的な解決策を紹介します。
最後までぜひ御覧ください。
相続人に未成年者や認知症、行方不明の者がいる場合
未成年者が相続人の場合
未成年者が相続人である場合、原則として法定代理人(通常は親権者)が未成年者に代わって協議に参加します。
未成年者の利益を最優先に考慮した判断が求められます。
しかし、親権者も相続人である場合、利益相反の可能性があるため、特別代理人の選任が必要となります。
例えば、父親が亡くなり、母親と子供が相続人となる場合です。
家庭裁判所に特別代理人選任の申立てを行い、選任された特別代理人が未成年者の権利を保護しつつ、協議に参加します。
認知症の相続人がいる場合
相続人の中に認知症の方がいる場合は、成年後見制度の利用が必要です。
成年後見人が認知症の方に代わって協議に参加し、その利益を守ります。
しかし、成年後見人は、認知症の方に不利な遺産分割協議に同意することができないため、協議がさらに難航する可能性があります。
そのため、協議がスムーズに進むよう、早めに専門家に相談することが推奨されます。
相続人が行方不明の場合
相続人が行方不明の場合、不在者財産管理人の選任申立てを家庭裁判所に行います。
選任された管理人が行方不明者に代わって協議に参加します。
たとえば、相続人が海外に居住している場合や、日本国籍を離脱し外国国籍を取得して居所がわからない場合にも、不在者財産管理人制度が利用されます。
専門家に依頼することで、手続きが円滑に進みます。
遺産分割協議で相続人間で話し合いができない場合
相続人間で協議ができない場合、家庭裁判所に遺産分割調停の申立てを行うことが可能です。
中立的な調停委員が、双方の意見を調整しながら解決策を提案します。
それでも協議がまとまらない場合は、遺産分割審判に進むことになります。
審判では、裁判官が法律に基づいて遺産分割を決定します。
調停は当事者間の合意を重視するため、柔軟な解決が可能ですが、審判は必ずしも全員が満足する結果にはならないこともあります。
複雑な案件では、調停や審判の過程で専門家(不動産鑑定士など)の意見を求めることが必要になることがあります。
時間がかかり、相続人間の関係もさらに悪化する可能性がありますが、この方法でしか解決できないことも多いです。
そのため、事前に専門家に相談し、状況を見極めながら適切な対応を選ぶことが重要です。
まとめ
遺産分割協議がまとまらない状況は非常にストレスフルですが、専門家の助言や法的制度を活用することで解決の道は必ず開けます。
一人で抱え込まず、状況に応じた適切な方法を選択し、専門家に相談することが重要です。
ただ、紛争性がでると司法書士が関与できなくなりますので、その場合は弁護士に依頼することをおすすめします。
この内容が少しでもお役に立てば幸いです。
江戸川区船堀、宇喜田、葛西、東小松川地域にお住まいの方で、相続に関するお悩みがある方は、ぜひ当事務所までご相談ください。
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今回は
『遺産分割協議がまとまらないときに知っておくべき解決策を江戸川区船堀の司法書士・行政書士が解説』
に関する内容でした。
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