フリーランスのための会社設立 合同会社は設立時・設立後のコスパがいいのは本当か?
ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
新型コロナウイルスの影響で、在宅ワーク、リモートワークの方が増えていますね。
今後副業でフリーランスの道を歩む人も増えるでしょう。
フリーランスから法人化へ進む方もいるでしょう。
この機会に、現状の会社設立の方法を学ぶのもありかと思います。
前回のブログで株式会社と合同会社の比較を書きました。
今回は「合同会社の運営コスパ」と題して、合同会社の設立時・設立後のコスパについて書きます。
フリーランスのための会社設立 合同会社は設立時・設立後のコスパがいいのは本当か?
合同会社 設立時のコスパ
これは前回の「フリーランスの法人化」でも触れましたが、合同会社設立は株式会社と比べて費用を安く抑えられます。
費用を安く抑えられるからといって、安易に合同会社にするのはリスクが高いです。
個人的には、ひとり会社で、とにかく法人化したい、それ以上大きくする予定がない、コンパクトビジネスが合同会社に向きます。
では、なぜ、設立の費用が安いのか?
それは、合同会社の場合、公証人の定款認証がいらないこと。
株式会社の場合、公証人による定款認証が必要で、費用で5万2,000円かかります。
電子署名で行えば謄本収入印紙4万円も浮くので、合同会社設立では安く済ますことが可能です。
ただ、定款認証がないということは、設立する社員が自らの責任で定款をきちんと作成していかないといけないことを意味しています。
定款の内容が不十分だと、設立後の経営に影響を及ぼすことが予想されます。
ひとりコンパクト会社だからといって、定款を疎かにしないことが重要です。
また、設立費用の登録免許税が株式会社と比べると安いです。
株式会社の場合は15万円で、合同会社の場合は6万円で設立登記が可能です。
設立後のコスパもいいが…
合同会社と株式会社を比べると、合同会社のほうが設立後の運営のコスパもいいです。
合同会社の場合、役員の任期はありませんし、決算公告も義務化されていません。
株式会社だと、決算公告は義務で、役員変更登記は10年ごとに行う必要があり、登記を怠るとみなし解散されるリスクがあります。
ただ、これは裏を返すと、法人の信用問題とも直結してきます。
決算公告はない、登記も設立当初のままだと、第三者からみたとき、本当にこの合同会社機能しているかわからないことがあります。
まとめ
合同会社は設立時も設立後もコスパはいいです。
ただ、安いからといって安易に合同会社にしてしまうと思わぬリスクにもなることを忘れないでください。
特に定款が大事ということはこれから法人化したいフリーランスの方は覚えておきましょう。
今回は
『フリーランスのための会社設立 合同会社は設立時・設立後のコスパがいいのは本当か?』
に関する内容でした。
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5つの定款モデルで自由自在「合同会社」設立・運営のすべて〈第2版〉 | ||||
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