再考 会社設立 株式会社がいいのか?合同会社がいいのか?
東京都江戸川区葛西駅前 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
このコロナ禍で会社設立案件はそこまで増えていないと言われています。
そうはいっても、株式会社の設立は2019年の統計では87,000件、合同会社の設立は30,000件となっています。
合同会社がかなり浸透しており、先日私のところにも合同会社の設立について相談がありました。
そこで、何度もこのブログでも書いていますが、株式会社がいいのか合同会社がいいのか、再考していきます。
再考 会社設立 株式会社がいいのか?合同会社がいいのか?
費用の面だけで見ると合同会社がいいように見えるが…
先日、問い合わせがあった方が合同会社の費用はどのくらいというのを聞かれました。
司法書士報酬と登録免許税とかを含めた額でお話したところ、高いと言われました。
ただ、よくよく聞いてみると、登録免許税も含めた額ではなかったようです。
実際に私がざっくりお話する際は、株式会社は31万円、合同会社は15万円(両方とも登録免許税とかの費用も含む)でお話しています。
高いかどうかはあなたの判断になりますが、合同会社のほうが安く済むと思うでしょう。
なぜ合同会社が安いのかというと、定款認証がないのと、登記申請の際の登録免許税が株式会社と比べると半分以下の額だから。
そう考えると、合同会社のほうが費用も安いし設立にいいかもと思う方もいるでしょう。
合同会社のメリット・デメリットを再度確認する
合同会社は、上記のとおり、設立時の費用のコストはかかりません。
さらには、株式会社と違い業務執行社員の任期は定款で定める必要がないので、みなし解散はありません。
逆にそれがメリットであり実はデメリットでもあるのです。
つまり、設立してから登記事項に何も発生していない状態が何十年も続く可能性があり、会社自体運営されているかが登記簿からは分からないことになります。
さらに、業務執行社員の住所変更があったにも関わらず長年放置していた場合など、本来登記事項に変更が生じているにも関わらず何も変えていない場合、過料の対象にもなり、行政罰の問題が出てしまいます。
さらに問題なのは、合同会社の運営方法。
特に社員が複数名いて、一人退社するとき、持分の払戻しができます。
その際は減資をするかの手続きが必要で、株式会社と比べ社員の扱い次第で法務関係が複雑化することがあります。
さらには、定款の中身次第で、いきなり合同会社の運営ができなくなるということもあります。
あとは、株式会社と比べビジネス的観点からまだイメージが浸透してないということもあります。
株式会社にするか合同会社にするか
私は、スモールビジネスでひとりで法人経営してこれ以上大きくする予定はまったくないというのであれば合同会社をおすすめします。
しかし、合同会社設立して将来会社を上場させたいというのであれば、最初から株式会社にすべきです。
まとめ
合同会社設立時は「定款」が命となります。
合同会社を設立したいと思っている方、設立後変更登記をしていく必要がある方はぜひ当職までご相談ください。
今回は
『再考 会社設立 株式会社がいいのか?合同会社がいいのか?』
に関する内容でした。
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参考書籍
事例解説 合同会社の登記ー設立、商号・目的・公告方法の変更、本店移転、業務執行社員の加入・退社、代表社員の変更、業務執行社員等の氏その他の変更、資本金の額の変更、解散・清算人・清算結了、複合事例、合同会社への種類の変更ー 泉水悟 日本加除出版 2021年03月22日頃 売り上げランキング :
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