令和元年会社法改正 法人設立時における印鑑届出義務の廃止で実務に影響が!
ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
令和元年の改正会社法は、激動する世の中にあった改正でもあります。
中小零細企業では今回の会社法改正には影響は少ないとされています。
しかし、今後AIやネット化でより手続を簡潔にできるようにしていく流れが出てきています。
それが、法人設立における印鑑届出義務の廃止です。
令和元年会社法改正 法人設立時における印鑑届出義務の廃止で実務に影響が!
印鑑提出義務の廃止で手続の流れがどのように変わるのか
現行では、会社設立時には、会社の印鑑を法務局に届け出る必要がありました。(印鑑届書の提出)
そして、会社の印鑑証明書は、印鑑カードを使用することにより取得することができます。
会社実印は、登記実務においては、登記申請時や、役員変更時の議事録押印時の申請担保を図る意図で利用されていました。
今回、印鑑届書の提出が任意となることで、実務に与える影響は大きくなるのかと思っています。
印鑑届書の提出は任意になる
印鑑届書の提出が任意となることで、会社設立登記はよりスピードアップされるようになります。
現在は、ワンストップも進んでいることから、より副業・副業で法人設立したい方には、法人設立のスピードがより早くなり、事業を軌道にのせることも容易になると思われます。
ただし、今後登記申請時に添付する株主総会議事録等に押印する印鑑について、署名をどうするのか、本当に申請担保が図れるのか、疑問なところがあります。
商業登記電子証明書の使い勝手はいいのか?
中小零細企業で商業登記電子証明書を利用している企業がどれだけあるのか、全く未知数です。
私が関与している企業では商業登記電子証明書を使っていると聞いたことがありません。
結局現状では使い勝手が悪いため、利用している企業は10万件程度と少ないです。
おそらく議事録や契約書に電子証明する際に利用している場合が多いのでしょう。
ワンストップサービス化に向けて、国は動いており、今後商業登記電子証明書のオンライン申請が認められるということになると、司法書士業務にも大きな影響を与えることは間違いありません。
すべてデータ内で完結し、ペーパーレス化がより進んでいくことにはなりそうです。
となると、司法書士・行政書士として、中小企業をサポートする立場として、今後どのように電子化が進んでいくのかは確認しないといけません。
まとめ
個人的には今回の令和元年会社法改正で、法人設立における印鑑届出義務の改正は、大きな論点を含んでいると感じています。
意外と実務にも大きな影響が出そうな気がしています。
今回は
『令和元年会社法改正 法人設立時における印鑑届出義務の廃止で実務に影響が![司法書士の日常]』
に関する内容でした。
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柳田幸三/西岡祐介 金融財政事情研究会 2020年02月
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