合同会社の運営 複数人で設立した場合に退社したい事態が生じた場合どうすればいいか?

東京都江戸川区葛西駅前 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。

はじめに

合同会社を設立する方が最近増加しています。

私もひとりでコンパクト会社を目指していきたい場合、合同会社を勧めています。

しかし、複数人で合同会社を設立し、共同で業務執行社員として運営したい場合、意外と面倒な問題がでてきます。

これを知らないと、合同会社設立後に退社の問題がおきた時にクリアできない事態になります。

合同会社設立 複数人で設立した場合に退社したい事態が生じた場合の対処法

合同会社の社員をやめたい場合、すんなり退社できるか?

株式会社の従業員で取締役の場合は、取締役と社員としての辞任届を出せば、株式会社をやめることができます。

合同会社の従業員は、株式会社の従業員と同じように辞められますが、問題は社員として登記されている場合。

合同会社の社員は定款の必要的記載事項。
その社員が合同会社をやめる場合は、会社法や定款の手続きにしたがって行う必要があります。

社員の退社の手続は、これが意外と面倒なのです。

合同会社の社員の退社の意味とは?

「商業登記実務から見た合同会社の運営と理論」54ページによると、社員の退社は、組合契約の一部解除や定款変更、合同会社の一部解散の意味合いがあると記載されています。

また、社員が退社する際に、持分の払戻しも認められており、残余財産の分配の意味合いも持つと同書で書かれています。

合同会社の社員として登記されている場合に退社したいとなると、手続的にも面倒なことになることは意識してください。

原則として退社時期は事業年度の終了時においてしか退社できず、かつ6ヶ月前に予告をする必要があります。

あとは「やむを得ない場合」は退社することはできますが、「やむを得ない場合」をどう解釈するかは問題があります。

なので、実務では退社する社員を含めた「総社員の同意」で退社することが多いと思われます。

持分の払い戻しも可能ですが、残りの社員に持分を譲渡すれば、債権者保護手続は不要となります。

なので、合同会社を複数人で設立し、社員となる場合に退社の手続きはややこしいということを知っておくべきです。

業務執行社員のみの辞任はできるか?

業務執行社員が複数いて、社員として残るが、業務執行社員の地位のみを辞任したい場合、どうすればいいのか。

業務執行社員の辞任だけでは足りず、定款で直接定めている場合は定款変更が必要で総社員の同意が必要だという説があります。

そうなると業務執行社員の辞任と定款変更が必要で、実体とそぐわないということで、業務執行社員の辞任のみで足りると解されています。

その上で、定款の規定を形式的に変更しておくといいとなっています。

ちなみに登記原因ですが「辞任」にはならず「業務執行権喪失」になるとされています。

まとめ

合同会社の社員の退社や業務執行社員の辞任はややこしい論点がでてきます。

なので、複数人で合同会社を設立するときは社員のことなどを留意した上で設立するようにしてください。

なお、参考書籍でも書きますが、「商業登記実務から見た合同会社の運営と理論」を参考に今回のブログを書きましたことをご案内します。

今回は
『合同会社の運営 複数人で設立した場合に退社したい事態が生じた場合どうすればいいか?』
に関する内容でした。

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参考書籍

この記事を書いた人

司法書士・行政書士 桐ケ谷 淳一

司法書士・行政書士 桐ケ谷 淳一

鉄道(乗り鉄・撮り鉄両方)と麻婆豆腐・担々麺をこよなく愛する司法書士・行政書士です。
ひとり会社設立、副業・複業、小さな会社の企業法務の分野を得意としています。
1977年1月 東京生まれ東京育ち
2000年 日本大学法学部法律学科卒業
2004年 司法書士試験合格
2005年 行政書士試験合格
2007年 東京都江戸川区葛西駅前にて司法書士事務所・行政書士事務所を開業
2017年 平成27・28年施行改正会社法・商業登記規則、役員変更登記の注意点(株式会社レガシィから)のCD・DVDを出しました。

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