東京都江戸川区葛西駅前
会社設立などの企業法務・相続専門
司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一です。
目次
はじめに
わたしたちの生活に影響を及ぼす法律として「民法」があります。
昨今民法改正が目白押し。
2018年6月13日、成人年齢引き下げに関する民法改正が成立しました。
ところで、最近の民法改正はどんなものがあるか?
三大民法改正の概要についてあなたの疑問にお答えします。
三大民法改正 改正内容は?
昨今の民法改正は大きく分けて3つあります。
- 債権法を中心とした改正
- 成人年齢引き下げに関する改正
- 相続法に関する改正
私はこれらの改正を「三大改正」と呼ぶことにします。
三大改正のうち、債権法を中心とした改正と成人年齢引き下げに関する改正は成立しました。
一方、相続法に関する改正は、2018年6月現在国会審議中です。
では、三大民法改正について概略をかいつまんで紹介します。
債権法を中心とする改正の内容は?
民法のいわゆる財産法の部分の改正は120年基本的な部分はなされませんでした。
そこで、時代にマッチさせるため、今回債権法分野を中心に改正されます。
債権法を中心といいながら、実は民法総則の分野も改正があり、わたしたちの生活にも影響を及ぼす内容になっています。
大きな改正点は以下のとおりです。
他にも債権法分野の改正部分は多くあることをご承知ください。
- 消滅時効に関する見直し
- 法定利率に関する見直し
- 保証に関する見直し
- 債権譲渡に関する見直し
- 約款(定型約款)に関する規定の新設
これらに関する改正時期は一部を除き、2020年4月1日の予定です。
成人年齢引下げに関する改正点
2018年6月13日に成立した民法改正。
成人年齢を引き下げに関する改正です。
改正内容としては、以下のとおりです。
- 契約当事者として18歳以上から親権者の同意がなくても契約可能
- パスポートを単独で取得可能
- 女性の婚姻できる年齢が16歳から18歳に引き上げ
ただ、飲酒・喫煙年齢や競馬等ができる年齢については従前どおり20歳になってからとなり、18歳でできるものと20歳からでないとできないものとが入り混じります。
なお、成人年齢の引き下げについては、養育費に関する「成人」の定義や「成人式」の定義など議論の余地が多く残されています。
改正時期は2022年4月1日の予定です。
相続法に関する改正点
2018年6月現在、国会で審議されています。
この国会で相続法に関する民法改正が成立するかは不明です。
相続法改正に関する内容は下記のとおりです。
- 配偶者の居住権を保護するための方策
- 遺産分割に関する見直し
- 遺言制度に関する見直し
- 遺留分制度に関する見直し
- 相続人以外の者の貢献を考慮するための方策
まとめ
近年、時代に合わせるため、民法改正が目白押し。
さらに、三大民法改正が終わっても「物権法」に関する改正も議論されつつあります。
土地所有者不明の扱いに関する内容や空き家問題など民法を取り巻く環境も大きく変わりつつあります。
わたしたちの生活に関わる部分であり、私の仕事にも影響が出るところなので、今後の民法に関する動きに注目です。
今回は
『三大民法改正 改正内容の概要を教えてください!』
に関する内容でした。
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参考書籍
成年年齢引下げ(若年成人)と若年消費者保護立法 (消費者立法シリーズ2)
信山社 信山社 2017-04-30
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新しい債権法を読みとく
山野目 章夫 商事法務 2017-06-14
|
わかる! 相続法改正
日本司法書士会連合会 中央経済社 2017-01-13
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