株主総会議事録 契印は必須で署名義務者全員でする必要はありません 議事録作成者が契印すれば足ります 司法書士が解説

株主総会議事録 契印は必須で署名義務者全員でする必要はありますか?

東京都江戸川区葛西駅前 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。

はじめに

「株主総会議事録、私の会社では定款で出席取締役が記名押印義務を負っています。
議事録が複数枚に渡る場合、契印は必要だと思いますが、記名押印義務者全員が契印する必要がありますか?」

(ある経営者からの質問)

株主総会議事録で署名義務者が複数いる場合、契印は全員がする必要があるのでしょうか?

今回は意外と知られていない、議事録の「契印」について紹介します。

株主総会議事録 契印は必須で署名義務者全員でするのか?

株主総会議事録の署名もしくは記名押印義務者は?

契印の前にまずは、株主総会議事録の作成と記名押印のことについて書きます。

株主総会は定時株主総会と臨時株主総会とがあり、総会を開催したら会社法・会社法施行規則にしたがって議事録を作成しなければなりません。

定時株主総会は毎年どんな規模の会社でも開催する必要があるので、中小零細企業やひとり株式会社の経営者は押さえておいてください。

株主総会議事録を作成したら、本店に10年間保管しなければなりません。

ところで、株主総会議事録を作成したら、署名もしくは記名押印は誰がしなければならないのでしょうか。

実は会社法には記名押印については規定がなく(取締役会議事録については署名記名押印については会社法に規定があります。)、多くの会社で定款で議事録の押印の扱いを決めています。

中小零細企業の場合は、議事録作成者(代表取締役)のみが押印義務を負わせている場合があったり、出席取締役全員に署名もしくは記名押印義務を負わせている会社もあります。

なお、昨今の商業登記法の改正で、議事録について、法律で押印しなければならない等の規定に当てはまらない場合、印鑑の押印については、法務局での審査の対象とはならなくなりました。

しかし、代表取締役を株主総会で選定している場合は、印鑑押印の問題が出てきます。

原則出席取締役は個人実印を押印し、印鑑証明書の添付が必要です。

ただし、代表取締役(もしくは代表取締役であった者)が法務局に届けている会社実印で押印している場合は、他の取締役は認印でい良い扱いとなっています。

今回「契印」の問題は、取締役全員が株主総会議事録に署名もしくは記名押印義務がある場合です。

株主総会議事録が数枚になる場合、議事録に契印は必要か?

そもそも議事録が数葉になる場合に契印が必要なのでしょうか。

契印がなくても法的効果に影響は出ませんが、契印があることで証拠能力としては高くなります。

また、登記実務では、株主総会議事録が添付書面になる場合、議事録が数葉に渡る場合契印が不要という先例もあれば契印がないと登記申請が受理されないという意見もあります。

なので、株主総会議事録に契印が必要かという問いには、登記申請の観点でいうと契印はしたほうがいいということになります。

結論として、後日の無用な争いを避けるために株主総会議事録に契印をしたほうがいいです。

契印はどうすればいいかは後ほど述べます。

そもそも契印とは何?契印の方法はどうするのか?

そもそも契印とは何でしょうか?

「契印」とは、書類が複数ページになる場合、各ページが連続していることを表すためにすることをいいます。
契印することで、落丁や差し替えを防止する意味があります

契印の仕方は、

  • 各ページを見開きにし、前後のページにまたがって押印する
  • いわゆる袋とじにして、袋とじ部分に押印する

いずれかの方法で行われます。

私は、議事録の枚数が少なければ、見開き方式にして対応していますが、枚数が多い場合は袋とじ部分に押印する方法を採用しています。

特に、株主総会議事録とともに定款案を添付する場合があり、そのときは袋とじ方式でやらないと数葉ごとに捺印しなければならず面倒です。

株主総会議事録の契印は署名義務者全員で行うべき?

議事録に契印が必要というのは上記の理由でご理解しただけたと思います。

そこで次に問題になるのが、議事録の契印は署名義務者全員がしなければならないのでしょうか。

結論は、必ずしも署名義務者全員が契印する必要がないというのが実務の扱いです。

法務省のホームページの「商業・法人登記の申請様式」の株主総会議事録の部分に

株主総会議事録が複数ページになる場合には、各ページのつづり目に契印してください。
契印は、議事録署名者のうち1名の印鑑で構いません。

と記載されています。

また、商業登記で有名な鈴木龍介先生も契印について1名あれば足りるいうことをブログで紹介しています。

2017.04.18(火)【議事録の契印】(東京・鈴木龍介) ESG法務研究会ブログより

なので、株主総会議事録で署名義務者が複数いる場合は、契印は署名義務者1名が押印すれば足りると解されます。

では契印者は誰がすべきかということになりますが、私は議長もしくは議事録作成者の契印が真正担保の観点からいいと解しています。

確実なのは会社実印で契印することでしょう。

まとめ

株主総会議事録などは、登記申請の円滑化を図るため契印はすべきです。
さらに、契印は署名義務者のうち1名からすれば足ります。
私が関与している会社でも、一定の事業が生じた場合を除き株主総会議事録は議事録に署名義務者は記名押印していますが、契印は議長のみがしています。

今回は
『株主総会議事録 契印は必須で署名義務者全員でする必要はありますか?[小さな会社の企業法務]
に関する内容でした。

あわせて読みたい

ひとり会社の場合、ぜひ書面決議を活用してみましょう。詳しくはこちらのブログを御覧ください。

参考書籍

議事録作成の実務と実践

鈴木龍介/稲垣裕行 第一法規 2017年10月17日頃
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この記事を書いた人

司法書士・行政書士 桐ケ谷 淳一

鉄道(乗り鉄・撮り鉄両方)と麻婆豆腐・担々麺をこよなく愛する司法書士・行政書士です。
ひとり会社設立、副業・複業、小さな会社の企業法務の分野を得意としています。
1977年1月 東京生まれ東京育ち
2000年 日本大学法学部法律学科卒業
2004年 司法書士試験合格
2005年 行政書士試験合格
2007年 東京都江戸川区葛西駅前にて司法書士事務所・行政書士事務所を開業
2017年 平成27・28年施行改正会社法・商業登記規則、役員変更登記の注意点(株式会社レガシィから)のCD・DVDを出しました。

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