こんにちは、東京都江戸川区船堀に事務所を構える「相続・会社設立に」に特化した事務所、司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirijunshoshi)です。
目次
はじめに:会社の未来を守るために、失敗から学ぶ
「ひとり株式会社」を設立し、自分らしい働き方を実現。
会社を軌道に乗せたことで、やりがいを感じている経営者の方も多いでしょう。
しかし、事業を次の世代に引き継ぐ準備はできていますか?
これまでのブログでは、会社設立の体験談(第1回)から、後継者選び(第2回)、資産整理の重要性(第3回)についてお伝えしました。
今回は、その続編として、事業承継に失敗した事例を通じて、成功に必要な3つの教訓をお伝えします。
失敗例には共通する原因があり、それを理解することで、あなたの会社も未来に繋げることができます。
具体例を交えながら、司法書士としてのアドバイスもお届けします。
なお、このブログに登場する人物は架空で、より分かりやすくイメージをしていただくようにストーリー仕立てになっていることにご留意ください。
失敗例から学ぶ3つの教訓
教訓1:後継者選びを早めに行うこと
失敗例:後継者が決まらず家族が分裂したケース
Nさんは家族経営のひとり株式会社を経営していましたが、後継者について話し合わないまま急逝。
家族間で経営権を巡る争いが起き、以下の問題が発生しました:
長男が経営に興味がなく、娘が会社を引き継ぎたいと主張。
家族内で対立が深まり、従業員にも不安が広がる。
経営の混乱が取引先にも影響し、契約を打ち切られる。
成功例:信頼できる従業員を後継者に選んだケース
一方で、Aさんは「自分の家族には引き継ぎたくない」という考えから、早い段階で信頼できる従業員を後継者に指名。
経営に必要な知識や経験を数年間かけて教え、スムーズに事業を引き継ぐことができました。
司法書士のアドバイス:
後継者選びは漠然と考えるだけでは不十分です。
具体的に誰に何を引き継ぐのかを決め、遺言書や家族信託で法的に確実にしておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。
ひとり株式会社であっても、次に継がせる人のことは考えておくべきでしょう。
教訓2:資産整理を後回しにしない
失敗例:資産が混乱し相続税が払えなかったケース
Mさんは、会社の資産を整理しないまま経営を続けていました。
彼が亡くなった後、以下の問題が発生しました:
- 会社の株式評価が曖昧で、相続税の計算が難航。
- 名義変更されていない不動産がトラブルの原因に。
- 資金不足で会社を手放すことに。
成功例:資産を整理してトラブルを防いだケース
一方、Bさんは司法書士と税理士の協力を得て、会社の資産をしっかり整理。
不動産の名義を見直し、株式評価も適切に行い、相続時のトラブルを防ぐことができました。
司法書士のアドバイス:
資産整理を怠ると、相続時に大きな混乱を招きます。
不動産の名義確認や、株式の適正評価を早めに行いましょう。
株式の適正評価については税理士を活用してみましょう。
また、遺言書で財産の分配を明確にすることも重要です。
教訓3:事業承継計画を立てることが成功への近道
失敗例:承継計画がなく、会社が存続できなかったケース
Tさんの会社では、経営者が事業承継を「なんとかなる」と楽観視し、具体的な計画を立てませんでした。
その結果:
- 従業員が将来の不安から離職し、事業運営が困難に。
- 取引先が信頼を失い、契約解除が相次ぐ。
成功例:計画を明確に立てたケース
Sさんは5年後の事業承継を目標に、具体的な計画を作成。
後継者の選定、従業員への周知、取引先への説明をスケジュールに沿って行い、誰もが納得する形で事業を引き継ぎました。
司法書士のアドバイス:
事業承継計画は「後継者選び」「資産整理」「承継スケジュール」を含むものです。
専門家と連携することで、実現可能な計画を作ることができます。
司法書士が提供するサポート内容
事業承継の成功には、司法書士などの専門家のサポートが欠かせません。
具体的には以下のような支援が可能です:
1. 遺言書と家族信託の作成
- 遺言書:資産の分配を明確化し、トラブルを防ぐ。
- 家族信託:資産管理を柔軟に行い、事業の安定を確保。
2. 資産整理の支援(税理士とともに)
- 株式や不動産の名義変更。
- 資産の棚卸しと相続税対策の提案。
3. 事業承継計画の策定
- 後継者選びの相談。
- 計画書の作成と周囲への共有サポート。
まとめ:行動を起こすタイミングは「今」
「ひとり株式会社」を設立し、会社を軌道に乗せたあなたにとって、事業承継は会社の未来を守るための避けて通れない課題です。
- 後継者を早期に選び、育成を始めること。
- 資産整理を徹底して行うこと。
- 具体的な承継計画を作り、周囲と共有すること。
これらを実践することで、あなたの会社を確実に次世代へ繋げることができます。
司法書士として、あなたの未来を守るお手伝いを全力でいたします。
今こそ行動を起こし、会社の未来を共に築きましょう!
江戸川区船堀、宇喜田、葛西、東小松川地域にお住まいの方で、相続・会社経営(商業登記を軸とした企業法務)に関するお悩みがある方は、ぜひ当事務所までご相談ください。
当事務所のウェブサイトをチェック
今回は
『司法書士が解説!失敗しないための事業承継のポイント3選』
に関する内容でした。
あわせて読みたい
今回のシリーズの内容です。
ぜひご覧ください。
参考書籍
電子書籍を発行しました
「がんばらない相続手続き 効率よく進める3つの方法」の電子書籍を発売しました!