会社設立時から取締役会設置会社のほうがいい場合とは?
ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 鉄道大好き司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
私が携わる会社設立のほとんどが、個人事業主の法人化。
なので、ひとり株式会社やコンパクトな会社を設立したい方が多いです。
ただ、最初から取締役会設置会社のほうがいい場合があります。
どんな場合か、私見を交えて紹介します。
会社設立時から取締役会設置会社のほうがいい場合とは?
取締役会設置会社の要件は?
まずは、取締役会設置会社を置く場合の要件を確認しておきましょう。
取締役会設置会社は公開会社、非公開会社どちらでも置くことが可能です。
置く場合には、定款の記載が必要です。
取締役会設置会社を置く場合は、監査役が原則必須となり、非公開会社場合、監査役を置かない場合、会計参与を置く必要があります。
あとは、人的要件も重要です。
取締役会設置会社の場合は、取締役が3名以上必要です。
更には、監査役(もしくは会計参与)が1名必要となります。
なので、設立当初から4名必要となり、意外とハードルが高いと言えます。
取締役会設置会社にしたほうがいい場合とは?
設立当初から取締役会設置会社にしたほうがいい場合とはどんな場合でしょうか?
まずは、IPO(株式公開)を早く行いたい会社は、設立当初から取締役会設置会社にすべきです。
会社の内部統制もしっかりし、コンプライアンス重視の会社づくりも重要になってくるからです。
できれば、会計監査人設置会社にするのもありです。
あとは、取引先からコンプライアンスのことを重視されている場合も、できれば取締役会設置会社にしたほうがいいです。
信用度をある程度確保したい会社も取締役会設置会社にすると、非取締役会設置会社よりかはある程度しっかり見られる傾向にあります。
監査役の権限をどうするか?
取締役会設置会社の場合は、原則監査役を置く必要があります。
監査役を置く場合、権限をどうするかが問題となります。
会計限定のみとするか、業務監査権限も含めるのか、そこはしっかり考えたほうがいいです。
会計限定のみとすると登記簿に載りますので、信用度が低く見られてしまうこともあります。
かといって、監査役が業務をしっかりこなせるだけの体制を整えることも重要になります。
また、会計監査限定だと取締役等の責任免除規定を定款で定めることもできないため、そのあたりも注意が必要です。
まとめ
会社設立当初からコンプライアンスを重視したい、IPOを早く行いたい場合は、取締役会設置会社のほうがいいです。
さらに監査役をどうするのか、権限もしっかり考えることが重要になります。
今回は
『会社設立時から取締役会設置会社のほうがいい場合とは?』
に関する内容でした。
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株主総会・取締役会・監査役会の議事録作成ガイドブック〔第2版補訂版〕 | ||||
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