2019年司法書士試験筆記試験の択一式の基準点の公表 受験者数の減少は予備校にも影響するか?
東京都江戸川区葛西駅前 ひとり会社設立や小さい会社の企業法務・相続専門 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。
目次
はじめに
2019年の司法書士試験筆記試験の択一式の基準点が法務省から公表されました。
あわせて、2019年の司法書士試験の受験者数も発表。
今年の択一式試験はどうだったのか、今後の受験界の状況も含めて書きます。
2019年司法書士試験筆記試験の択一式の基準点の公表
2019年の司法書士試験の択一式の難易度はどうだったか?
まずは択一式の基準点について書きます。
司法書士試験では午前と午後の択一式で基準点を設けています。
この基準点を両方とも突破しないと、記述式は採点されません。
最終合格にたどり着くには、択一式の基準点と記述式の基準点を突破して、総合点の上位から合格します。
なので、択一式試験で基準点ギリギリで突破できても、記述式で満点近く取らないと総合点で合格できません。
さて、2019年の択一式の基準点ですが以下のとおりです。
- 午前の部 105点(35問)中75点(25問正解)以上
- 午後の部 105点(35問)中66点(22問正解)以上
午前・午後とも昨年と比べると悪くなっています。
やはり、2019年はかなり択一式は難しかったのでしょう。
基準点の比率で見ると、ここ2年と照らし合わせて考えると
- 午前の部は72点を基準点とすると比率が26%と跳ね上がるため、どうしても75点で足切りせざるを得なかった
- 午後の部は63点を基準点とすると比率が24%となるが、午前で基準点の比率が上がったため、66点で足切りせざるを得なかった
ことが分かります。
受験者数は13,683名(午前の部と午後の部両方受験した人)と昨年より減少しています。
▼2017年から2019年までの基準点・受験者数・全受験生に対する基準点に到達した比率
午前の部の基準点 | 午後の部の基準点 | 受験者数 | 午前の部の比率 | 午後の部の比率 | |
2017年 | 75点(25問正解) | 72点(24問正解) | 15,440名 | 19.24% | 20.3% |
2018年 | 78点(26問正解) | 72点(24問正解) | 14,387名 | 19.50% | 24.06% |
2019年 | 75点(25問正解) | 66点(22問正解) | 13,681名 | 21.55% | 20.59% |
司法書士試験は実務家試験の色合いが強い試験と認識すべき
2019年午後の択一式不動産登記では、かなり実務に沿った問題が出題されたと聞いています。
受験生は、実務に対して疎い部分があるため、午後の基準点が2問減少したと思われます。
しかし、試験合格したら、即登録できる試験であることから考えると、実務よりの問題も出ないといけないと私は思います。
合格後新人研修はありますが、すぐ実務で使えるものを身につけないといけないでしょう。
司法書士試験は実務要素が強い試験だということを受験生はもっと認識すべきです。
司法書士資格受験予備校も淘汰される時代に突入か?
司法書士受験生が昨年に比べ1,000名減っています。
2020年からは受験会場が減りますので、司法書士受験生も減少に歯止めがかからない状況が進むでしょう。
日本司法書士会連合会はそれなりに対策を講じているかは分かりませんが、そのあおりを食らうのは私は司法書士試験受験予備校だと思っています。
10年前の最盛期には30,000名の出願者数がいましたが、2019年の出願者は最盛期の半分以下まで減っています。
となると、予備校も経営面等を考えて司法書士講座から撤退というのもあるでしょう。
私は、本年度の問題の傾向から、講師が実際に実務経験があり、予備校としての合格実績がそれなりにあるところが今後は生き残るだろうと思います。
意外な予備校が司法書士試験講座から撤退というのもあるかもしれません。
まとめ
2019年の司法書士試験筆記試験の択一式は難しかったといえるでしょう。
受験者数減少は、今後の司法書士業界、特に予備校業界には影響がでるでしょう。
今回は法務省の資料を参考にブログを書きました。
法務省:平成31年度(2019年度)司法書士試験筆記試験(多肢択一式問題)の基準点等について(資料)
今回は
『2019年司法書士試験筆記試験の択一式の基準点の公表 受験者数の減少は予備校にも影響するか?』
に関する内容でした。
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