東京都江戸川区葛西駅前
会社設立などの企業法務・相続専門
司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一です。
目次
はじめに
会社を設立しても生き残ることができるのは半分より少ない程度。
会社設立のときにきちんと戦略を立てないから経営が立ち行かなくなってしまうのです。
あなたがもし、会社設立して経営を一旦辞めて事業をたたむ場合、会社はどうすればいいでしょうか?
会社をたたまないで残しておく方法もあるが・・・
「休眠会社」ということば、聞いたことがあるでしょうか?
会社の事業を休止し、事実上営業しない状態のことを「休眠会社」といいます。
税務署に「休眠届」を出すことで休眠会社扱いにすることができます。
そして、いつでも復活させたければ、会社を復活させることができます。
休眠会社になったからといって、法人住民税の均等割は支払わないといけません。
さらに、登記事項に変更があったら2週間以内に変更登記を申請する必要があります。
「休眠中」だからといって会社自体は法律上存在しているのです。
休眠会社のままだとあなたの会社が乗っ取られるかも?
最近、詐欺事件等で「休眠会社」が使われているようです。
事業をしていない会社を使って犯罪の温床になるのだけは避けなければなりません。
休業届を出して「いつかは営業再開したい」と思って休眠届を出しても、実際復活したというのは私の経験上ほとんどありません。
なので、会社設立して事業がうまくいかない場合は私は廃業してたたむべきだと思います。
あなたの作った会社が犯罪に使われてしまったら信用問題にも繋がりますので・・・
廃業も視野に入れる ただ費用も・・・
廃業というのは、法律上解散手続をした上で実際に会社をたたむ手続をすることをいいます。
会社の解散から清算結了までの流れは下記のとおりです。
- 解散日を決める
- 株主総会で解散決議と清算人の選任決議をする
- 解散及び清算人の選任の登記申請手続きをする
- 解散公告を官報で出す
- 清算手続きを行う(債権の取り立てや債務の弁済など)
- 清算事務報告書を作成する
- 株主総会で清算結了承認決議をする
- 清算結了登記を申請する
注意なのは、法律上、解散公告をしてから2ヶ月を経過しないと清算結了登記を申請することはできないこと。
ただ、登記では解散・清算人選任登記や清算結了登記の際に解散公告したことを証する書面は提出しません。
なので、登記手続では、解散登記から清算結了の間に2か月ない場合は、清算結了登記申請は受理されないことを知ってください。
実は廃業するときのデメリットはなんといっても費用がかかること。
費用は、解散登記と清算人選任登記で4万1,000円、清算結了登記が2,000円です。
さらに、解散公告を官報販売所に依頼しますが、その費用は4万円程度かかります。
司法書士に依頼したら報酬が発生します。
ただ、会社をなくし、一から出発するのであれば、この位の費用は安いと思います。
まとめ
最近は会社設立をしやすくし、起業促進の動きが出ています。
しかし、起業しやすいといっても、リスクは有るということは承知してください。
会社設立後事業をやめたい時どうすればいいかは知っておくのもいいでしょう。
私は事業をしないのであれば、潔く解散し清算結了登記まで終わらせ廃業すべきと考えます。
今回は
『注意!会社設立後事業をしなくなったら休眠届より解散登記を!』
に関する内容でした。
会社の解散・清算・清算結了の流れについてはこちらを御覧ください。
参考書籍はこちら
会社法実務マニュアル(1)第2版
会社法実務研究会 ぎょうせい 2016年12月15日
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